ストレージ アレイ内のドライブは、データに対して物理ストレージ容量を提供します。データの格納を開始する前に、プールまたはボリューム グループと呼ばれる論理コンポーネントに割り当て容量を設定する必要があります。これらのストレージ オブジェクトを使用して、ストレージ アレイのデータを設定、格納、メンテナンス、保持できます。
プールまたはボリューム グループ内の未割り当て容量または空き容量からボリュームを作成できます。
ボリュームの容量を拡張したら、それに応じてファイルシステムのサイズを手動で拡張する必要があります。方法は、使用しているファイルシステムによって異なります。詳細については、ホスト オペレーティング システムのドキュメントを参照してください。
シック ボリュームまたはシン ボリュームのどちらかを作成できます。レポート容量と割り当て容量はシック ボリュームでは同じですが、シン ボリュームでは異なります。
通常は、シック ボリュームのレポート容量を、ボリュームが拡張すると予想される最大容量に設定します。シック ボリュームは、予測可能な高パフォーマンスをアプリケーションに提供します。これは主に、すべてのユーザ容量が作成時に予約され、割り当てられているためです。
レポート容量は、ストレージ アレイ上の割り当て容量よりも大きくなる可能性があります。現在使用可能な資産に関係なく、シン ボリュームの拡張に合わせてサイズを設定できます。
シック ボリュームの最小容量は1MiBであり、最大容量はプールまたはボリューム グループ内のドライブの数と容量によって決定されます。
シック ボリュームのレポート容量を拡張する際は、次のガイドラインに注意してください。
ボリュームを作成する場合は、セグメント サイズの動的(DSS)変更のための追加容量が事前に割り当てられます。DSS変更は、ボリュームのセグメント サイズを変更できるソフトウェアの機能です。
レポート容量が多く、割り当て容量が比較的少ないシン ボリュームを作成できます。これは、ストレージの利用率の向上と効率化に効果的です。シン ボリュームでは、アプリケーションの実行を中断することなく、アプリケーションのニーズの変化に応じて割り当て容量を拡張できるため、ストレージ管理が簡易化され、ストレージ利用率が向上します。
シン ボリュームには、レポート容量と割り当て容量に加えて、書き込み済み容量も含まれています。書き込み済み容量は、シン ボリュームに割り当てられたリザーブ容量のうちの書き込み済みの容量です。
次の表は、シン ボリュームの容量制限を示しています。
容量のタイプ | 最小サイズ | 最大サイズ |
---|---|---|
レポート | 32MiB | 256TiB |
割り当て | 4MiB | 64TiB |
シン ボリュームの場合、最大レポート容量の256TiBに達していると容量を拡張できません。シン ボリュームのリザーブ容量が最大レポート容量よりも大きいサイズに設定されていることを確認してください。
割り当て容量は、割り当て容量の制限に基づいてSystem Managerで自動的に拡張されます。割り当て容量の制限により、シン ボリュームの自動拡張をレポート容量までに制限することができます。書き込まれるデータの量が割り当て容量に近付いたときは、割り当て容量の制限を変更することができます。
割り当て容量の制限を変更するには、
を選択します。System Managerでは、シン ボリュームの作成時にフル容量を割り当てないため、プールの空き容量が不足する可能性があります。スペース不足の場合は、シン ボリュームについてだけではなく、プールの容量を必要とする他の処理(SnapshotイメージやSnapshotボリュームなど)についてもプールへの書き込みがブロックされることがあります。ただし、プールからの読み取り処理は引き続き実行できます。このような状況が発生すると、アラートしきい値の警告が送信されます。