TR-4719 :『 SAP HANA System Replication - Backup and Recovery with SnapCenter 』
SAP HANA システムレプリケーションは、一般に、 SAP HANA データベースの高可用性またはディザスタリカバリ解決策として使用されます。SAP HANA システムレプリケーションには、ユースケースや可用性の要件に応じて、さまざまな動作モードが用意されています。
作成者:Nils Bauer、NetApp
組み合わせて使用できる主なユースケースは次の 2 つです。
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専用のセカンダリ SAP HANA ホストを使用した、ゼロの Recovery Point Objective ( RPO ;目標復旧時点)と最小の Recovery Time Objective ( RTO ;目標復旧時間)による高可用性。
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遠隔地での災害復旧。セカンダリ SAP HANA ホストは、通常運用時の開発やテストにも使用できます。
RPO がゼロで RTO が最小限のハイアベイラビリティ
システムレプリケーションでは、セカンダリ SAP HANA ホストのメモリにプリロードされたテーブルを使用して同期レプリケーションが設定されます。この高可用性解決策を使用して、ハードウェアやソフトウェアの障害に対処できるほか、 SAP HANA ソフトウェアのアップグレード中の計画的停止(ダウンタイムはほぼゼロ)を軽減できます。
フェイルオーバー処理は、多くの場合、サードパーティ製のクラスタソフトウェアを使用するか、 SAP Landscape Management ソフトウェアでワンクリックで実行することで自動化されます。
バックアップ要件の観点では、どの SAP HANA ホストがプライマリまたはセカンダリであるかに関係なく、バックアップを作成できる必要があります。バックアップを作成したホストに関係なく、共有バックアップインフラを使用してバックアップがリストアされます。
このドキュメントの残りの部分では、ハイアベイラビリティ解決策として構成された SAP システムレプリケーションを使用したバックアップ処理について説明します。
遠隔地での災害復旧
システムレプリケーションは、セカンダリホストのメモリにテーブルがプリロードされていない非同期レプリケーションで構成できます。この解決策はデータセンターの障害に対処するために使用され、通常は手動でフェイルオーバー処理が実行されます。
バックアップ要件に関しては、データセンター 1 での通常運用中、およびデータセンター 2 でのディザスタリカバリ中に、バックアップを作成できる必要があります。データセンター 1 と 2 には独立したバックアップインフラがあり、ディザスタフェイルオーバーの一環としてバックアップ処理がアクティブ化されます。通常、バックアップインフラは共有されません。もう一方のデータセンターで作成されたバックアップをリストアすることはできません。