データベースは大規模な内部キャッシュを保持するため、ストレージフェイルオーバー時に破損の影響を受けやすくなります。構成全体の健全性に関係なく、重大なイベントによってONTAPフェイルオーバーの強制またはMetroClusterスイッチオーバーの強制が必要になった場合は、以前に確認された変更が実質的に破棄されることがあります。ストレージアレイの内容が時間を遡るようになり、データベースキャッシュの状態がディスク上のデータの状態を反映しなくなります。この不整合により、データが破損します。

キャッシュはアプリケーションレイヤまたはサーバレイヤで実行できます。たとえば、プライマリサイトとリモートサイトの両方でアクティブなサーバを使用するOracle Real Application Cluster（RAC）構成では、Oracle SGA内のデータがキャッシュされます。強制スイッチオーバー処理によってデータが失われると、SGAに格納されているブロックがディスク上のブロックと一致しない可能性があるため、データベースが破損するリスクがあります。

キャッシュの使用は、OSファイルシステムレイヤではあまり明白ではありません。マウントされたNFSファイルシステムのブロックは、OSにキャッシュされる場合があります。または、プライマリサイトにあるLUNに基づくクラスタ化されたファイルシステムをリモートサイトのサーバにマウントして、データをキャッシュすることもできます。このような状況でNVRAMの障害、強制テイクオーバー、強制スイッチオーバーが発生すると、ファイルシステムが破損する可能性があります。

ONTAPは、NVFAILとその関連設定を使用して、このシナリオからデータベースとオペレーティングシステムを保護します。