サービス品質( QoS )
スループット制限は、サービスレベルの制御や不明なワークロードの管理に役立ちます。また、導入前にアプリケーションをテストして、本番環境の他のワークロードに影響しないようにするのに役立ちます。また、 Bully ワークロードが特定された場合に、この 2 つを使用して抑制することもできます。
ONTAP QoSポリシーのサポート
ONTAPを実行しているシステムでは、ストレージQoS機能を使用して、ファイル、LUN、ボリューム、SVM全体などのさまざまなストレージオブジェクトのスループットをMBpsやIOPS(1秒あたりのI/O数)で制限できます。
ONTAP 9.2 では SAN オブジェクトに、 ONTAP 9.3 では NAS オブジェクトに一貫したパフォーマンスを提供するために、 IOPS に基づく最小サービスレベルもサポートされています。
オブジェクトに対する QoS の最大スループット制限は、 MBps と IOPS のいずれかまたは両方で設定できます。両方を使用する場合は、最初に到達した制限が ONTAP によって適用されます。ワークロードには複数のオブジェクトを含めることができ、 QoS ポリシーは 1 つ以上のワークロードに適用できます。ポリシーを複数のワークロードに適用した場合は、ポリシーの制限はワークロード全体に適用されます。ネストされたオブジェクトはサポートされません(たとえば、ボリューム内のファイルには個別のポリシーを設定することはできません)。QoS の最小値は IOPS 単位でのみ設定できます。
ONTAP QoS ポリシーの管理とオブジェクトへの適用に現在使用できるツールは次のとおりです。
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ONTAP CLI
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ONTAP システムマネージャ
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OnCommand Workflow Automation のサポートを利用できます
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Active IQ Unified Manager
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NetApp PowerShell Toolkit for ONTAP
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VMware vSphere VASA Provider 用の ONTAP ツール
VMFS と RDM 、 ONTAP SVM ( SVM として表示)、 LUN パス、シリアル番号などの LUN に QoS ポリシーを割り当てるには、 ONTAP Tools for VMware vSphere のホームページのストレージシステムメニューから QoS ポリシーを取得します。ストレージシステム(SVM)を選択し、[Related Objects]>[SAN]を選択します。 この方法は、いずれかの ONTAP ツールを使用して QoS を指定する場合に使用します。
を参照してください "パフォーマンスの監視と管理の概要" を参照してください。
VVOL以外のNFSデータストア
ONTAP QoSポリシーは、データストア全体またはデータストア内の個 々 のVMDKファイルに適用できます。ただし、従来の(VVOL以外の)NFSデータストア上のすべてのVMが、特定のホストの共通のI/Oキューを共有していることを理解しておくことが重要です。ONTAP QoSポリシーで調整されているVMがある場合、実際にはそのホストでは、そのデータストアのすべてのI/Oが調整されているように見えます。
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例: *
*ホストESXi-01によって従来のNFSデータストアとしてマウントされているボリュームに対して、vm1.vmdkにQoS制限を設定します。
*同じホスト(esxi-01)がVM2.vmdkを使用しており、同じボリューム上にあります。
*vm1.vmdkがスロットルされると、vm1.vmdkと同じIOキューを共有するため、vm2.vmdkもスロットルされているように見えます。
VVOLには適用されません。 |
vSphere 6.5以降では、Storage I/O Control(SIOC)v2を使用したStorage Policy-Based Management(SPBM)を使用して、VVol以外のデータストアに対するファイル単位の制限を管理できます。
SIOCポリシーとSPBMポリシーを使用したパフォーマンスの管理の詳細については、次のリンクを参照してください。
NFS 上の VMDK に QoS ポリシーを割り当てる場合は、次のガイドラインに注意してください。
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ポリシーは、
vmname-flat.vmdk
ではなく、実際の仮想ディスクイメージが含まれています。vmname.vmdk
(仮想ディスク記述ファイル)またはvmname.vmx
(VM記述ファイル)。 -
仮想スワップファイルなど、他のVMファイルにポリシーを適用しない (
vmname.vswp
)。 -
vSphere Web Clientを使用してファイルパスを検索する場合([Datastore]>[Files])は、
- flat.vmdk
および. vmdk
1つのファイルが表示されます。このファイルには、. vmdk
しかしその大きさは- flat.vmdk
。追加( Add )-flat
ファイル名に入力して、正しいパスを取得します。
FlexGroup データストアでは、 ONTAP ツールを VMware vSphere 9.8 以降で使用する場合に、 QoS 機能が強化されています。QoS は、データストア内のすべての VM 、または特定の VM に簡単に設定できます。詳細については、本レポートの「 FlexGroup 」セクションを参照してください。従来のNFSデータストアでは、前述したQoSの制限が引き続き適用されることに注意してください。
VMFSテタストア
ONTAP LUNを使用すると、LUNを含むFlexVolボリュームまたは個 々 のLUNにQoSポリシーを適用できますが、ONTAPではVMFSファイルシステムが認識されないため、個 々 のVMDKファイルには適用できません。
vVolテエタストア
最小/最大QoSは、Storage Policy-Based ManagementとVVOLを使用することで、他のVMやVMDKに影響を与えることなく、個 々 のVMやVMDKに簡単に設定できます。
VVolコンテナのストレージ機能プロファイルを作成するときは、パフォーマンス機能で最大IOPSと最小IOPSの値を指定し、このSCPをVMのストレージポリシーで参照します。このポリシーは VM を作成するときに使用するか、ポリシーを既存の VM に適用します。
VVOLを使用するには、VASA Provider for ONTAPとして機能するONTAP Tools for VMware vSphereを使用する必要があります。VVOLのベストプラクティスについては、を参照して"VMware vSphere Virtual Volume(VVOL)とONTAP"ください。 |
ONTAP の QoS と VMware の SIOC
ONTAP QoSとVMware vSphere Storage I/O Control(SIOC)は、vSphere管理者とストレージ管理者が連携して使用し、ONTAPを実行するシステムでホストされているvSphere VMのパフォーマンスを管理できる、相互に補完するテクノロジです。各ツールには、次の表に示すようにそれぞれの長所があります。VMware vCenter と ONTAP ではスコープが異なるため、一部のオブジェクトは一方のシステムで認識および管理でき、もう一方のシステムではできません。
プロパティ( Property ) | ONTAP QoS | VMware SIOC |
---|---|---|
アクティブになっている場合 |
ポリシーは常にアクティブです |
競合が発生している(データストアのレイテンシがしきい値を超えている)場合 |
単位のタイプ |
IOPS 、 MBps |
IOPS 、共有数 |
対象となる vCenter またはアプリケーション |
複数の vCenter 環境、その他のハイパーバイザーとアプリケーションがあります |
単一の vCenter サーバ |
VM に QoS を設定? |
NFS 上の VMDK のみ |
NFS 上または VMFS 上の VMDK です |
LUN ( RDM )で QoS を設定? |
はい。 |
いいえ |
LUN ( VMFS )への QoS の設定 |
はい。 |
○(データストアは調整可能) |
ボリューム( NFS データストア)への QoS の設定 |
はい。 |
○(データストアは調整可能) |
SVM (テナント)に QoS を設定? |
はい。 |
いいえ |
ポリシーベースのアプローチ |
はい。ポリシー内のすべてのワークロードで共有することも、ポリシー内の各ワークロードにフルに適用することもできます。 |
はい。 vSphere 6.5 以降が必要です。 |
ライセンスが必要です |
ONTAP に付属しています |
Enterprise Plus |
VMware Storage Distributed Resource Scheduler の略
VMware Storage Distributed Resource Scheduler ( SDRS )は、現在の I/O レイテンシとスペース使用量に基づいて VM をストレージに配置する vSphere の機能です。その後、 VM や VMDK の配置先として最適なデータストアをデータストアクラスタ内から選択し、システムを停止することなくデータストアクラスタ(ポッドとも呼ばれます)内のデータストア間で VM や VMDK を移動します。データストアクラスタは、類似するデータストアをvSphere管理者から見た単一の消費単位に集約したものです。
SDRSとONTAP tools for VMware vSphereを使用する場合は、まずプラグインを使用してデータストアを作成し、vCenterを使用してデータストアクラスタを作成してから、そのデータストアにデータストアを追加する必要があります。データストアクラスタを作成したら、プロビジョニングウィザードの詳細ページからデータストアクラスタにデータストアを直接追加できます。
SDRS に関するその他の ONTAP のベストプラクティスは、次のとおりです。
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クラスタ内のすべてのデータストアで同じタイプのストレージ( SAS 、 SATA 、 SSD など)を使用し、すべて VMFS データストアまたは NFS データストアとし、レプリケーションと保護の設定を同じにします。
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デフォルト(手動)モードでは SDRS の使用を検討してください。このアプローチでは、推奨事項を確認し、適用するかどうかを決定できます。VMDK の移行による影響を次に示します。
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SDRS がデータストア間で VMDK を移動すると、 ONTAP のクローニングや重複排除によるスペース削減効果は失われます。重複排除機能を再実行すれば、削減効果を取り戻すことができます。
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NetAppでは、VMDKを移動したあとに、移動したVMによってスペースがロックされるため、ソースデータストアでSnapshotを再作成することを推奨しています。
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同じアグリゲート上のデータストア間で VMDK を移動してもメリットはほとんどなく、 SDRS はアグリゲートを共有する可能性のある他のワークロードを可視化できません。
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ストレージポリシーベースの管理とVVOL
VMware vSphere APIs for Storage Awareness ( VASA )を使用すると、ストレージ管理者は、明確に定義された機能を使用してデータストアを簡単に設定でき、 VM 管理者は、相互にやり取りすることなく、いつでも VM をプロビジョニングするためのこれらの機能を使用できます。このアプローチを見て、仮想化ストレージの運用を合理化し、単純な作業の多くを回避する方法を確認することをお勧めします。
VASA が導入される前は、 VM 管理者が VM ストレージポリシーを定義することもできましたが、適切なデータストアを特定するには、多くの場合、ドキュメントや命名規則を使用する必要がありました。VASA を使用すると、ストレージ管理者は、パフォーマンス、階層化、暗号化、レプリケーションなど、さまざまなストレージ機能を定義できます。1 つのボリュームまたはボリュームセットの一連の機能を、ストレージ機能プロファイル( SCP )と呼びます。
SCPでは、VMのデータVVOLに対して最小または最大のQoSがサポートされます。最小 QoS は AFF システムでのみサポートされます。VMware vSphere 用の ONTAP ツールには、 ONTAP システム上の VVOL の VM の詳細なパフォーマンスと論理容量を表示するダッシュボードがあります。
次の図は、 VMware vSphere 9.8 VVol ダッシュボード用の ONTAP ツールを示しています。
ストレージ機能プロファイルを定義したら、そのプロファイルを使用して要件を定義するストレージポリシーを使用して VM をプロビジョニングできます。vCenter では、 VM ストレージポリシーとデータストアストレージ機能プロファイルのマッピングに基づいて、互換性があるデータストアのリストを選択対象として表示できます。このアプローチは、ストレージポリシーベースの管理と呼ばれます。
VASA は、ストレージを照会して一連のストレージ機能を vCenter に返すためのテクノロジを提供します。VASA ベンダープロバイダは、ストレージシステムの API およびコンストラクトと、 vCenter が認識可能な VMware API との間の変換機能を提供します。ネットアップのVASA Provider for ONTAPは、ONTAP Tools for VMware vSphereアプライアンスVMの一部として提供されます。vCenterプラグインは、VVOLデータストアをプロビジョニングおよび管理するためのインターフェイスと、ストレージ機能プロファイル(SCP)を定義する機能を提供します。
ONTAP は、 VMFS データストアと NFS データストアの両方をサポートしています。SAN データストアで VVOL を使用すると、 VM レベルのきめ細かさなど、 NFS のメリットの一部を活用できます。ここでは考慮すべきベストプラクティスをいくつか示します。また、追加情報はにあります "TR-4400":
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VVOL データストアは、複数のクラスタノードにある複数の FlexVol で構成できます。ボリュームごとに機能が異なる場合でも、最もシンプルなアプローチは 1 つのデータストアです。SPBM により、互換性のあるボリュームが VM に使用されています。ただし、すべてのボリュームが 1 つの ONTAP SVM に含まれていて、単一のプロトコルでアクセスできる必要があります。各プロトコルでノードごとに 1 つの LIF で十分です。1 つの VVOL データストアで複数の ONTAP リリースを使用することは避けてください。リリースによってストレージ機能が異なる場合があります。
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VVol データストアの作成と管理には、 VMware vSphere プラグインの ONTAP ツールを使用します。データストアとそのプロファイルの管理に加え、必要に応じて、 VVOL にアクセスするためのプロトコルエンドポイントが自動的に作成されます。LUN を使用する場合、 LUN PE は 300 以上の LUN ID を使用してマッピングされます。ESXiホストの詳細なシステム設定を確認する
Disk.MaxLUN
300を超えるLUN ID番号を許可します(デフォルトは1、024)。そのためには、vCenterでESXiホストを選択し、[Configure]タブでDisk.MaxLUN
をクリックします。 -
VASA Provider 、 vCenter Server (アプライアンスまたは Windows ベース)、または VMware vSphere 用の ONTAP ツールは相互に依存するため、 VVOL データストアにインストールしたり移行したりしないでください。これらのツールは、停電やその他のデータセンターの停止が発生した場合に管理しなくなるためです。
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VASA Provider VM を定期的にバックアップします。VASA Providerが格納された従来のデータストアのSnapshotを少なくとも1時間ごとに作成してください。VASA Provider の保護とリカバリの詳細については、こちらを参照してください "こちらの技術情報アーティクル"。
次の図は、 VVOL のコンポーネントを示しています。