想定範囲がパフォーマンス分析で使用される仕組み

Unified Managerの想定範囲は、監視対象のワークロードの典型的なI/Oレイテンシ(応答時間)とIOPS(処理数)アクティビティを表します。ワークロードの実際のレイテンシが想定範囲の上限を上回るとアラートが生成されてパフォーマンス イベントがトリガーされるため、パフォーマンスの問題を分析して解決することができます。

想定範囲は、ワークロードのパフォーマンス ベースラインを設定します。Unified Managerは過去のパフォーマンス測定値から学習し、ワークロードの想定されるパフォーマンスとアクティビティ レベルを予測します。想定範囲の上限によってパフォーマンスしきい値が設定されます。Unified Managerでは、このベースラインを使用して、実際のレイテンシまたは処理数がしきい値を上回る、下回る、あるいは想定範囲外になったかどうかを判断します。実測値と想定値の比較を基に、ワークロードのパフォーマンス プロファイルが作成されます。

あるワークロードの実際のレイテンシがクラスタ コンポーネントの競合が原因でパフォーマンスしきい値を超えると、レイテンシが高くなり、ワークロードの処理速度は想定よりも遅くなります。同じクラスタ コンポーネントを共有する他のワークロードのパフォーマンスも想定より遅くなる可能性があります。

Unified Managerは、しきい値を超えるイベントを分析して、そのアクティビティがパフォーマンス イベントに該当するかどうかを判断します。高ワークロードのアクティビティが長期間(たとえば数時間)にわたって継続した場合、Unified Managerはこれを正常なアクティビティとみなし、想定範囲を動的に調整して新しいパフォーマンスしきい値を作成します。

処理数またはレイテンシの想定範囲が時間が経過しても大きく変化することがない、アクティビティが一貫して低いワークロードもあります。このような低アクティビティのボリュームについては、イベント アラートの数を最小限に抑えるために、パフォーマンス イベントの分析中、Unified Managerは処理数およびレイテンシが想定よりもはるかに高いイベントのみをトリガーします。


Performance Managerでのレイテンシの想定範囲

この例のボリュームのレイテンシの想定範囲(グレーで表示)は、処理あたり0~5ms/opです。ネットワーク トラフィックの一時的な急増やクラスタ コンポーネントの競合が原因で実際のレイテンシ(青)が突然10ms/opまで増加した場合、想定範囲を上回り、パフォーマンスしきい値を超過します。

ネットワーク トラフィックが減少するか、クラスタ コンポーネントの競合が解消されると、レイテンシは想定範囲内に戻ります。レイテンシが長期間にわたって10ms/op以上のままの場合、イベントを解決するための対処が必要となることがあります。