アクセス キャッシュの仕組み

ONTAPは、アクセス キャッシュを使用して、ボリュームまたはqtreeへのクライアント アクセス処理に対するエクスポート ポリシー ルール評価の結果を格納します。これにより、クライアントからI/O要求が送信されるたびにエクスポート ルール評価の処理を行う場合よりもかなり迅速に情報をアクセス キャッシュから取得できるので、パフォーマンスが向上します。

NFSクライアントがボリュームまたはqtree上のデータにアクセスするためのI/O要求を送信するたびに、ONTAPはそれぞれのI/O要求を評価して、そのI/O要求を許可するか拒否するかを決定する必要があります。この評価には、そのボリュームまたはqtreeに関連付けられているすべてのエクスポート ポリシー ルールのチェックが伴います。ボリュームまたはqtreeへのパスが1つ以上のジャンクション ポイントと交差している場合は、そのパスに付随する複数のエクスポート ポリシーに対してこうしたチェックの実行が必要になる可能性があります。

なお、この評価は、最初のマウント要求についてだけでなく、読み取り、書き込み、リスト、コピーをはじめとする操作など、NFSクライアントから送信されたすべてのI/O要求について行われます。

ONTAPは、適用可能なエクスポート ポリシー ルールを特定して要求を許可するか拒否するかを決定したあと、その情報を格納するためのエントリをアクセス キャッシュ内に作成します。

NFSクライアントがI/O要求を送信すると、ONTAPは、そのクライアントのIPアドレス、SVMのID、ターゲット ボリュームまたはqtreeに関連付けられているエクスポート ポリシーを記録したうえで、まずアクセス キャッシュをチェックして一致するエントリがないか確認します。一致するエントリがアクセス キャッシュ内に存在する場合、ONTAPはそこに格納されている情報を使用して、I/O要求を許可または拒否します。一致するエントリが存在しない場合、ONTAPは先ほど述べたすべての適用可能なポリシー ルールを評価する通常の処理を行います。

ONTAP 9以降では、アクティブに使用されていないアクセス キャッシュ エントリは更新されません。これにより、外部ネーム サーバとの無駄な通信が削減されます。

アクセス キャッシュからの情報の取得は、I/O要求のたびにエクスポート ポリシー ルールを評価する全体的な処理よりもずっと高速です。そのため、アクセス キャッシュを使用すると、クライアント アクセス チェックのオーバーヘッドが軽減され、パフォーマンスが大幅に向上します。