SnapMirror関係にある7-Modeボリュームを移行する場合は、最初にセカンダリ ボリュームを移行する必要があります。その後、7-Modeプライマリ ボリュームとONTAPセカンダリ ボリュームの間にVolume SnapMirror関係が確立されます。
プライマリ ボリュームが移行されたあとに、ONTAPのプライマリ ボリュームとセカンダリ ボリュームの間にVolume SnapMirror関係が確立されます。
注: 7-Mode Transition Toolでは、SnapMirror関係にあるSnapLock Complianceボリュームは自動的に移行されません。SnapMirror関係にあるSnapLock Complianceボリュームは、すべてスタンドアロン ボリュームとして移行する必要があります。プライマリとセカンダリのSnapLock ComplianceボリュームがONTAPに移行されたあとに、これらのボリューム間でSnapMirror再同期処理を手動で実行する必要があります。
事前確認、ベースライン コピー、差分転送、および構成の適用(カットオーバー前)処理は、セカンダリ プロジェクトとプライマリ プロジェクトで同時に実行できますが、ストレージ カットオーバーは先にセカンダリ プロジェクトで実行する必要があります。
準備フェーズ
このフェーズでは、7-Modeのシステム、クラスタ、ボリューム、およびIPアドレスが選択されます。7-Mode Transition Toolがこのフェーズで実行するタスクは次のとおりです。
- 7-Modeストレージ システムおよびボリュームの情報を追加します。
- 7-Modeソース ボリュームとSnapMirror関係に関する情報を収集します。
- セカンダリ ボリュームを移行するために、7-Modeプライマリ システムに関する情報を収集
- プライマリ ボリュームを移行するために、7-Modeセカンダリ システムに関する情報を収集
- 移行の事前確認を実行します。
- クラスタ、SVM、およびアグリゲートの情報を追加します。
- SVMに設定する必要があるIPアドレスを収集します。
- 7-Modeシステムに存在するIPアドレスを選択
- SVMで設定する必要がある新しいIPアドレスを指定
注: iSCSI LIFとFC LIF(SAN)の移行はこのツールではサポートされません。移行の前に、SVMにSAN LIFを手動で設定する必要があります。
- ベースライン転送と差分転送のデータ コピー スケジュールを作成します。
- プロジェクトにSnapLockボリュームが含まれている場合は、CoC検証を必要とする読み書き可能なSnapLockボリュームに関する情報、およびCoC検証処理で生成されるフィンガープリント データを格納するONTAPボリュームの詳細情報を収集します。
注: SnapLockのCoC検証は読み書き可能な7-Mode SnapLockボリュームでのみサポートされます。読み取り専用ボリュームではサポートされません。また、名前に非ASCII文字を含むファイルが格納されているSnapLockボリュームでもサポートされません。
- ターゲットSVMおよびターゲット ボリュームに移行する必要がある7-Mode構成を選択して、構成の移行を計画します。
事前確認で報告されたエラーと警告を修正したあとに、コントローラ上のオブジェクト(ボリューム、IPアドレス、システム情報など)を変更しないでください。
データ コピー フェーズ
このフェーズでは、7-ModeボリュームのデータがONTAPボリュームにコピーされます。7-Mode Transition Toolがこのフェーズで実行するタスクは次のとおりです。
- 読み取り専用アクセスが可能なONTAPボリュームを作成します。
- 7-ModeシステムとSVMの間に移行ピア関係を設定します。
- 7-ModeボリュームとONTAPボリュームの間にSnapMirror関係を確立します。
- スケジュール設定に基づいてベースライン データ コピー転送を実行します。
- スケジュールされたSnapMirrorデータ コピー更新をONTAPボリュームに対して実行します。
構成の適用(カットオーバー前)フェーズ
計画したカットオーバー期間の数日~数週間前に構成の適用を実行することを推奨します。この処理により、すべての構成が適切に適用されるかどうか、何らかの変更が必要かどうかを確実に検証できます。
このフェーズでは、7-Modeボリュームの構成がONTAPボリュームにコピーされます。
構成の適用(カットオーバー前)フェーズには、カットオーバー前読み取り専用モードとカットオーバー前読み取り / 書き込みモードの2つのモードがあります。
プロジェクトに次の要素が含まれている場合、カットオーバー前読み取り / 書き込みモードはサポートされません。
- SANボリューム(ターゲット クラスタがData ONTAP 8.3.1以前を実行している場合)
この場合、次の構成は構成の適用(カットオーバー前)フェーズでは適用されず、カットオーバー フェーズで適用されます。
- SnapLock Complianceボリューム
プロジェクトにSnapLock Complianceボリュームが含まれている場合は、Snapshotスケジュールの設定は構成の適用(カットオーバー前)フェーズで適用されず、 カットオーバー フェーズで適用されます。
SnapLock Complianceボリュームの移行に関する考慮事項
ターゲット クラスタがData ONTAP 8.3.1以前を実行している場合に、NASボリュームに対して読み取り / 書き込みモードで構成の適用(カットオーバー前)処理を実行するには、NASボリュームとSANボリュームで別々のプロジェクトを作成する必要があります。これは、構成の適用(カットオーバー前)読み取り / 書き込みモードはプロジェクトにSANボリュームがあるとサポートされないためです。
プロジェクトにSnapLock Complianceボリュームが含まれている場合に、非SnapLock Complianceボリュームに対して読み取り / 書き込みモードで構成の適用(カットオーバー前)処理を実行するには、SnapLock Complianceボリュームと非SnapLock Complianceボリュームで別々のプロジェクトを作成する必要があります。これは、構成の適用(カットオーバー前)読み取り / 書き込みモードはプロジェクトにSnapLock Complianceボリュームがあるとサポートされないためです。
カットオーバー前読み取り専用モードでは、ツールによって次の手順が実行されます。
- 7-ModeボリュームからONTAPボリュームに差分更新を実行します。
- 7-ModeボリュームとONTAPボリューム間のSnapMirror関係を解除します。
注: SnapLock Complianceボリュームの場合、7-ModeボリュームとONTAPボリュームの間のSnapMirror関係は解除されません。これは、7-ModeボリュームとONTAPボリューム間のSnapMirror再同期処理がSnapLock Complianceボリュームではサポートされないためです。
- 7-Modeボリュームの構成を収集し、ONTAPボリュームとSVMに適用します。
- SVMにデータLIFを設定します。
- 既存の7-Mode IPアドレスは管理状態がdownでSVMに作成されます。
- 新しいIPアドレスは管理状態がupでSVMに作成されます。
- 7-ModeボリュームとONTAPボリューム間のSnapMirror関係を再同期します。
カットオーバー前読み取り / 書き込みモードでは、次の手順が実行されます。
- 7-ModeボリュームからONTAPボリュームに差分更新を実行します。
- 7-ModeボリュームとONTAPボリューム間のSnapMirror関係を解除します。
- 7-Modeボリュームの構成を収集し、ONTAPボリュームとSVMに適用します。
- SVMにデータLIFを設定します。
- 既存の7-Mode IPアドレスは管理状態がdownでSVMに作成されます。
- 新しいIPアドレスは管理状態がupでSVMに作成されます。
- 構成の適用(カットオーバー前)のテスト時に、ONTAPボリュームでデータの読み取り / 書き込みアクセスをテストします
これらのONTAPボリュームは、構成の適用後に読み取り / 書き込み可能になります。 構成の適用後に、ONTAPボリュームに対する読み取りと書き込みが可能になるため、構成の適用(カットオーバー前)のテスト時にはこれらのボリュームでデータの読み取り / 書き込みアクセスをテストできます。
- 手動:ONTAPで構成とデータ アクセスを検証します。
- 手動:テストを終了します。
ONTAPボリュームが再同期されます。
ストレージ カットオーバー(セカンダリ ボリューム)フェーズ
次の図は、セカンダリ ボリュームの移行を表しています。
フェーズ |
手順 |
ストレージ カットオーバー(セカンダリ ボリューム) |
- セカンダリ ボリュームを移行する
- セカンダリ ボリューム間のSnapMirror関係を解除して削除する
- 7-Modeプライマリ ボリュームとONTAPセカンダリ ボリューム間にDR関係を確立する
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7-Mode Transition Toolがこのフェーズで実行するタスクは次のとおりです。
- オプション:ONTAPセカンダリ ボリュームに対してSnapMirror更新をオンデマンドで実行します。
- 手動:必要に応じてクライアント アクセスを切断します。
- 7-Modeセカンダリ ボリュームからONTAPセカンダリ ボリュームへの最終SnapMirror更新を実行します。
- 7-Modeセカンダリ ボリュームとONTAPセカンダリ ボリューム間のSnapMirror関係を解除および削除して、デスティネーション ボリュームを読み取り / 書き込み可能にします。
- Snapshotスケジュールの設定を適用します(ターゲット クラスタがData ONTAP 8.3.0または8.3.1を実行しており、SANボリュームがプロジェクトに含まれている場合)。
- SAN構成を適用します(ターゲット クラスタがData ONTAP 8.3.1以前を実行している場合)。
注: この処理で、必要なigroupがすべて作成されます。セカンダリ ボリュームでは、カットオーバー処理の実行中にLUNがigroupにマッピングされません。プライマリ ボリュームのストレージ カットオーバー処理が完了したあとに、セカンダリLUNを手動でマッピングする必要があります。ただし、セカンダリ プロジェクトに含まれるスタンドアロン ボリュームの場合は、この処理の実行中にLUNがigroupにマッピングされます。
- クォータ構成があれば適用します。
- 7-Modeプライマリ システム上のボリュームとONTAPセカンダリ ボリュームの間にSnapMirror関係を確立します。
7-Modeプライマリ ボリュームと7-Modeセカンダリ ボリュームの間のSnapMirror関係を更新するためのSnapMirrorスケジュールが、7-Modeプライマリ ボリュームとONTAPセカンダリ ボリュームの間のSnapMirror関係に適用されます。
- 7-Modeシステムから移行対象として選択した既存の7-Mode IPアドレスを削除し、SVM上のデータLIFの管理状態をupにします。
注: SAN LIFは7-Mode Transition Toolでは移行されません。
- オプション:7-Modeボリュームをオフラインにします。
ストレージ カットオーバー(プライマリ ボリューム)フェーズ
次の図は、プライマリ ボリュームの移行を表しています。
フェーズ |
手順 |
ストレージ カットオーバー(プライマリ ボリューム) |
- プライマリ ボリュームを移行する
- 7-Modeシステムからクライアントを切断する(ストレージ カットオーバー)
- 7-Modeプライマリ ボリュームとONTAPセカンダリ ボリューム間のDR関係を解除して削除する
- プライマリ ボリューム間のSnapMirror関係を解除して削除する
- ONTAPのプライマリ ボリュームとセカンダリ ボリュームの間にSVMピア関係を設定する
- ONTAPボリューム間のSnapMirror関係を再同期する
- ONTAPボリュームへのクライアント アクセスを有効にする
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7-Mode Transition Toolがこのフェーズで実行するタスクは次のとおりです。
- オプション:ONTAPセカンダリ ボリュームに対してSnapMirror更新をオンデマンドで実行します。
- 手動:7-Modeシステムからクライアント アクセスを切断します。
- 7-Modeプライマリ ボリュームからONTAPプライマリ ボリュームへ最後の差分更新を実行します。
- 7-Modeプライマリ ボリュームとONTAPプライマリ ボリューム間のSnapMirror関係を解除および削除して、デスティネーション ボリュームを読み取り / 書き込み可能にします。
- Snapshotスケジュールの設定を適用します(ターゲット クラスタがData ONTAP 8.3.0または8.3.1を実行しており、SANボリュームがプロジェクトに含まれている場合)。
- SAN構成を適用します(ターゲット クラスタがData ONTAP 8.3.1以前を実行している場合)。
- クォータ構成があれば適用します。
- 7-Modeプライマリ ボリュームとONTAPセカンダリ ボリューム間のSnapMirror関係を解除して削除します。
- プライマリ クラスタとセカンダリ クラスタの間に、クラスタ ピア関係とSVMピア関係を設定します。
- ONTAPのプライマリ ボリュームとセカンダリ ボリュームの間にSnapMirror関係を設定します。
- ONTAPボリューム間のSnapMirror関係を再同期します。
- 7-Modeシステムから移行対象として選択した既存の7-Mode IPアドレスを削除し、プライマリSVM上のデータLIFの管理状態をupにします。
注: SAN LIFは7-Mode Transition Toolでは移行されません。
- オプション:7-Modeボリュームをオフラインにします。
SnapLockボリュームに対するCoC検証プロセス
CoC検証処理を実行します。
- 7-ModeボリュームのすべてのWORMファイルを列挙します。
- 列挙した各WORMファイルについて、7-Modeボリュームと移行したONTAPボリュームの両方でフィンガープリントを計算します。
- フィンガープリントが一致するファイルと一致しないファイルの数、および不一致の理由を記載したレポートを作成します。
注: - CoC検証処理は、名前にASCII文字のみを含むファイルが格納されている読み書き可能なSnapLockボリュームでのみサポートされます。
- 7-Mode SnapLockボリュームのファイル数によっては、この処理にはかなりの時間がかかることがあります。
移行後の手順
カットオーバー フェーズが正常に終了して移行が完了したら、以下の移行後のタスクを実行する必要があります。
- 7-Modeシステムで提供されていた機能のうち、ツールで自動的にSVMに移行されなかった機能を移行する手順を手動で実行します。
- ターゲット クラスタでData ONTAP 8.3.1以前が実行されている場合は、セカンダリLUNを手動でマッピングする必要があります。
- SANを移行する場合は、ホストを手動で再設定します。
SANホストの移行および修復
- 次の点を検証し、SVMがクライアントにデータを提供できる状態であることを確認します。
- SVM上のボリュームがオンラインであり、読み取り / 書き込み可能である。
- 移行したIPアドレスがSVM上で有効になっており、到達可能である。
- クライアント アクセスをONTAPボリュームにリダイレクトします。