負荷分散

ノードでの作業量が利用可能なリソースを超えると、ワークロードのパフォーマンスにレイテンシが発生し始めます。ノードの負荷が許容量を超えた場合は、利用可能なリソースを増やす(ディスクやCPUをアップグレードする)か、負荷を減らす(ボリュームやLUNを必要に応じて別のノードに移動する)ことで対処します。

ONTAPのストレージ サービス品質(QoS)を使用して、重要なワークロードのパフォーマンスが競合するワークロードの影響を受けて低下しないよう設定することもできます。

スループットの上限

スループットの上限はワークロードのスループットを最大IOPSまたはMB/秒に制限します。次の図では、ワークロード2がワークロード1および3のBullyとならないようにスループットの上限が設定されています。

ポリシー グループには、1つ以上のワークロードに対するスループットの上限が定義されます。ワークロードは、ストレージ オブジェクト(個々のボリューム、ファイル、LUN、あるいはSVM内のすべてのボリューム、ファイル、またはLUN)のI/O処理を表します。上限はポリシー グループの作成時に指定できるほか、ワークロードをしばらく監視したあとで指定することもできます。

注: ワークロードのスループットは、特にスループットが急激に変化した場合、指定された上限を10%までは超過することができます。バースト時には、上限を50%まで超過することができます。


スループットの下限

スループットの下限はワークロードのスループットが最小IOPSを下回らないことを保証します。次の図では、ワークロード1とワークロード3にスループットの下限が設定され、ワークロード2からの要求量に関係なく、最小スループットが確保されています。

ヒント: これらの例からわかるように、スループットの上限はスループットを直接調整するのに対し、 スループットの下限は下限が設定されたワークロードを優先することでスループットを間接的に調整します。

ワークロードは、ボリューム、LUN、またはファイル(ONTAP 9.3以降)のI/O処理を表します。スループットの下限を定義するポリシー グループは、SVMには適用できません。下限はポリシー グループの作成時に指定できるほか、ワークロードをしばらく監視したあとで指定することもできます。

注: ノードまたはアグリゲートに十分なパフォーマンス容量(ヘッドルーム)がない場合やvolume move trigger-cutoverなどの重要な処理の実行中は、ワークロードのスループットが指定された下限を下回ることがあります。利用可能な容量が十分にあるときや重要な処理を実行していないときも、ワークロードのスループットは指定された下限を5%まで下回ることができます。


アダプティブQoS

通常、ストレージ オブジェクトに割り当てたポリシー グループの値は固定値です。ストレージ オブジェクトのサイズが変わったときは、値を手動で変更する必要があります。たとえば、ボリュームの使用スペースが増えた場合、通常は指定されているスループットの上限も増やす必要があります。

アダプティブQoSでは、ワークロードのサイズの変更に合わせてポリシー グループの値が自動的に調整され、TBまたはGBあたりのIOPSが一定に維持されます。これは、何百何千という数のワークロードを管理する大規模な環境では大きなメリットです。

アダプティブQoSは、主にスループットの上限の調整に使用しますが、下限の管理(ワークロード サイズが増えた場合)に使用することもできます。ワークロードのサイズは、ストレージ オブジェクトに割り当てられたスペースまたはストレージ オブジェクトで使用されているスペースのいずれかで表されます。
注: ONTAP 9.5以降では、使用されているスペースをスループットの下限に使用できます。ONTAP 9.4以前では使用できません。