クォーラムとイプシロンについて

クォーラムとイプシロンは、クラスタの健全性と機能を判断するための重要な基準で、通信および接続に関する潜在的な問題へのクラスタの対応を決定します。

クォーラムは、クラスタが完全に機能するための前提条件です。クラスタがクォーラムを構成している場合は、過半数のノードが正常で、相互に通信可能です。クォーラムが失われると、クラスタは通常のクラスタ処理を実行できなくなります。すべてのノードが1つのまとまりとしてデータの単一のビューを共有するため、任意の時点において1つのノードの集まりだけがクォーラムを構成することができます。つまり、通信が確立されていない2つのノードが異なる方法でデータを変更できる場合には、データを1つのデータ ビューに表示できなくなります。

クラスタ内の各ノードはノード マスターを選出する投票プロトコルに属しており、マスター以外の各ノードはセカンダリとなります。マスター ノードは、クラスタ内に情報を同期する役割を担います。形成されたクォーラムは継続的な投票によって維持されます。マスター ノードがオフラインになった場合、クラスタでクォーラムが維持されていれば、オンラインのノードの投票によって新しいマスターが選出されます。

ノード数が偶数のクラスタの場合は同票となる可能性があるため、イプシロンと呼ばれる追加の投票荷重が設定されたノードが1つあります。大規模なクラスタの同じ数のノード間で接続障害が発生した場合、すべてのノードが正常であることを条件に、イプシロンが設定されたノードのグループがクォーラムを維持します。たとえば、次の図では、4ノード クラスタの2つのノードで障害が発生しています。ただし、残りのノードの1つにイプシロンが設定されているため、正常なノードが過半数に満たなくてもクォーラムが維持されます。


この図には説明が付随しています。

クラスタが作成されると、自動的に最初のノードにイプシロンが割り当てられます。イプシロンを保持しているノードで障害が発生したり、ハイアベイラビリティ パートナーをテイクオーバーしたり、ハイアベイラビリティ パートナーにテイクオーバーされた場合、イプシロンは別のHAペアの正常なノードに自動的に割り当てられます。

ノードをオフラインにすると、クラスタがクォーラムを維持できるかどうかに影響することがあります。そのため、クラスタのクォーラムが失われたり、あと1つのノード障害によってクォーラムが失われるような処理を実行しようとすると、警告メッセージが表示されます。クォーラムに関する警告メッセージを無効にするには、advanced権限レベルでcluster quorum-service options modifyコマンドを使用します。

一般的に、クラスタのノード間に信頼性のある接続が確立されている場合には、小規模のクラスタよりも大規模のクラスタの方が安定します。ノードの半数にイプシロンを加えた過半数のクォーラムの要件は、2ノードのクラスタよりも24ノードのクラスタの方が簡単に維持できます。

2ノードのクラスタでは、クォーラムの維持に独特な課題が存在します。2ノード クラスタではクラスタHAが使用され、どちらのノードにもイプシロンは設定されません。代わりに、両方のノードが継続的にポーリングされ、1つのノードに障害が発生した場合には、もう一方のノードが、論理インターフェイスと管理機能へのアクセスに加えてデータへの完全な読み取り / 書き込みアクセスを提供します。