レプリケーションは、オブジェクト データを格納するためにStorageGRID Webscaleで使用する2つのメカニズムのうちの1つです。レプリケート コピーを作成するように設定されたILMルールにオブジェクトが一致した場合、StorageGRID Webscaleはオブジェクト データの完全なコピーを作成してストレージ ノードまたはアーカイブ ノードに格納します。
レプリケート コピーを作成するようにILMルールを設定する場合は、作成するコピーの数、コピーを配置する場所、およびそれぞれの場所にコピーを格納する期間を指定します。
次の例のILMルールは、各オブジェクトのレプリケート コピーを2つずつ、3つのストレージ ノードからなるストレージ プールに配置するように指定されています。
このルールにオブジェクトが一致した場合、StorageGRID Webscaleはオブジェクトのコピーを2つ作成して、ストレージ プール内の別々のストレージ ノードにそれぞれのコピーを配置します。2つのコピーは、使用可能な3つのストレージ ノードのうちのいずれか2つに配置されます。この例ではストレージ ノード2と3に配置されています。コピーは2つあるため、ストレージ プール内のいずれかのノードで障害が発生した場合でもオブジェクトを読み出すことができます。
単一のストレージ プール内の別々のストレージ ノードにレプリケート コピーを配置する方法はサイトが1つしかない環境には適していますが、複数のサイトがある環境でのサイト障害からは保護されません。レプリケート コピーがストレージ プール内の使用可能な任意のノードに配置されるため、一部のオブジェクトですべてのコピーが1つのサイト内にのみ配置される可能性があります。
次の例は、単一のストレージ プールに2つのサイトのストレージ ノードが含まれている場合にどうなるかを示しています。レプリケート コピーを配置するにあたって、システムはオブジェクトAAAの2つのコピーをサイト1の別々のストレージ ノードに、オブジェクトCCCの2つのコピーをサイト2の別々のストレージ ノードに格納しています。いずれかのサイトで障害が発生したりアクセスできなくなった場合、保護されるのはオブジェクトBBBだけです。
StorageGRID Webscale環境に複数のサイトが含まれている場合は、別々のサイトにあるストレージ プールにオブジェクト データのコピーを分散することで、サイト障害から保護することができます。たとえば、2つのコピーを作成するILMルールを設定して、2つのサイトのストレージ プールを選択すると、各オブジェクトのコピーが各サイトに1つずつ配置されます。2つのコピーを作成するルールを設定して3つのストレージ プールを選択すると、2つのコピーが別々のサイトに格納される際、プール間のディスク使用量のバランスを保つようにコピーが分散されます。
次の例は、複数のストレージ プールを使用した場合のオブジェクトの格納方法を示しています。この例のILMルールは、各オブジェクトのレプリケート コピーを2つ作成して2つのストレージ プールに分散するように指定されています。各ストレージ プールには一方のサイトのすべてのストレージ ノードが含まれています。各オブジェクトのコピーはそれぞれのサイトに格納されるため、オブジェクト データはサイトの障害やサイトへのアクセス障害から保護されます。