構成ファイルの設定

deploy-vsphere-ovftool.ini構成ファイルには、仮想グリッド ノードを導入するために必要な設定が含まれています。

構成ファイルでは、最初にグローバル パラメータがリストされ、そのあとにノード名で定義される各セクションにノード固有のパラメータがリストされます。このファイルは次のように使用されます。
  • グローバル パラメータがすべてのグリッド ノードに適用されます。
  • ノード固有のパラメータによってグローバル パラメータが上書きされます。

グローバル パラメータ

グローバル パラメータは、個々のセクションの設定で上書きされないかぎり、すべてのグリッド ノードに適用されます。複数のノードに適用するパラメータをグローバル パラメータ セクションに配置し、個々のノードのセクションで必要に応じてこれらの設定を上書きします。

  • OVFTOOL_ARGUMENTS:OVFTOOL_ARGUMENTSをグローバル設定として指定するか、または特定のノードに個別に引数を適用できます。次に例を示します。
    OVFTOOL_ARGUMENTS = --powerOn --noSSLVerify --diskMode=thin --datastore='datastore_name'
    --powerOffTargetオプションと--overwriteオプションを使用して、既存の仮想マシンのシャットダウンと交換を実行できます。
    注意:ノードを別々のデータストアに導入し、OVFTOOL_ARGUMENTSをグローバルに指定するのではなくノードごとに指定する必要があります。
  • SOURCEStorageGRID Webscale仮想マシン テンプレート ファイル(.vmdk)および個々のグリッド ノードの.ovfファイルと.mfファイルのパス。デフォルトで現在のディレクトリに設定されます。
    SOURCE = /downloads/StorageGRID-Webscale-version/vsphere
  • TARGETStorageGRID Webscaleの導入先となるVMware vSphere仮想インフラ(vi)のURL。次に例を示します。
    TARGET = vi://vcenter.example.com/vm/sgws
  • GRID_NETWORK_MASK:グリッド ネットワークのネットワーク マスク。全ノードまたはほとんどのノードが同じネットワーク マスクを使用する場合は、ここでそのネットワーク マスクを指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    GRID_NETWORK_MASK = 255.255.255.0
  • GRID_NETWORK_GATEWAY:グリッド ネットワークのネットワーク ゲートウェイ。全ノードまたはほとんどのノードが同じネットワーク ゲートウェイを使用する場合は、ここでそのネットワーク ゲートウェイを指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    GRID_NETWORK_GATEWAY = 10.1.0.1
  • GRID_NETWORK_MTU:オプション。グリッド ネットワークでの最大伝送ユニット(MTU)です。指定できる値は、68~65535です。省略すると1400に設定されます。全ノードまたはほとんどのノードがグリッド ネットワークに同じMTUを使用する場合は、ここでそのMTUを指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    GRID_NETWORK_MTU = 8192
  • ADMIN_NETWORK_CONFIG:IPアドレスを取得する方法(DISABLED、STATIC、DHCPのいずれか)。デフォルトはDISABLEDです。全ノードまたはほとんどのノードがIPアドレスの取得に同じ方法を使用する場合は、ここでその方法を指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    ADMIN_NETWORK_CONFIG = STATIC
  • ADMIN_NETWORK_TARGET:管理ネットワークに使用する既存のVMwareネットワークの名前。この設定は、管理ネットワークが無効でない場合に必要となります。全ノードまたはほとんどのノードが同じネットワーク名を使用する場合は、ここでその名前を指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    ADMIN_NETWORK_TARGET = SG-Admin-Network
  • ADMIN_NETWORK_MASK:管理ネットワークのネットワーク マスク。この設定は、IPアドレスを静的に指定する場合に必要となります。全ノードまたはほとんどのノードが同じネットワーク マスクを使用する場合は、ここでそのネットワーク マスクを指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    ADMIN_NETWORK_MASK = 255.255.255.0
  • ADMIN_NETWORK_GATEWAY:管理ネットワークのネットワーク ゲートウェイ。この設定は、IPアドレスを静的に指定し、かつADMIN_NETWORK_ESL設定で外部サブネットを指定する場合に必要となります (つまりADMIN_NETWORK_ESLが空の場合は不要です)。全ノードまたはほとんどのノードが同じネットワーク ゲートウェイを使用する場合は、ここでそのネットワーク ゲートウェイを指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    ADMIN_NETWORK_GATEWAY = 10.3.0.1
  • ADMIN_NETWORK_ESL:管理ネットワークの外部サブネット リスト(ルート)。CIDRルートのデスティネーションをカンマで区切ったリストとして指定します。全ノードまたはほとんどのノードが同じネットワーク外部サブネット リストを使用する場合は、ここでそのリストを指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    ADMIN_NETWORK_ESL = 172.16.0.0/21,172.17.0.0/21
  • ADMIN_NETWORK_MTU:オプション。管理ネットワークでの最大伝送ユニット(MTU)です。ADMIN_NETWORK_CONFIG = DHCPの場合は指定しないでください。指定できる値は、68~65535です。省略すると1400に設定されます。全ノードまたはほとんどのノードが管理ネットワークに同じMTUを使用する場合は、ここでそのMTUを指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    ADMIN_NETWORK_MTU = 8192
  • CLIENT_NETWORK_CONFIG:IPアドレスを取得する方法(DISABLED、STATIC、DHCPのいずれか)。デフォルトはDISABLEDです。全ノードまたはほとんどのノードがIPアドレスの取得に同じ方法を使用する場合は、ここでその方法を指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    CLIENT_NETWORK_CONFIG = STATIC
  • CLIENT_NETWORK_TARGET:クライアント ネットワークに使用する既存のVMwareネットワークの名前。この設定は、クライアント ネットワークが無効でない場合に必要となります。全ノードまたはほとんどのノードが同じネットワーク名を使用する場合は、ここでその名前を指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    CLIENT_NETWORK_TARGET = SG-Client-Network
  • CLIENT_NETWORK_MASK:クライアント ネットワークのネットワーク マスク。この設定は、IPアドレスを静的に指定する場合に必要となります。全ノードまたはほとんどのノードが同じネットワーク マスクを使用する場合は、ここでそのネットワーク マスクを指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    CLIENT_NETWORK_MASK = 255.255.255.0
  • CLIENT_NETWORK_GATEWAY:クライアント ネットワークのネットワーク ゲートウェイ。この設定は、IPアドレスを静的に指定する場合に必要となります。全ノードまたはほとんどのノードが同じネットワーク ゲートウェイを使用する場合は、ここでそのネットワーク ゲートウェイを指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    CLIENT_NETWORK_GATEWAY = 10.4.0.1
  • CLIENT_NETWORK_MTU:オプション。クライアント ネットワークでの最大伝送ユニット(MTU)です。CLIENT_NETWORK_CONFIG = DHCPの場合は指定しないでください。指定できる値は、68~65535です。省略すると1400に設定されます。全ノードまたはほとんどのノードがクライアント ネットワークに同じMTUを使用する場合は、ここでそのMTUを指定できます。そのあとに、個々のノードで別の設定を指定してグローバル設定を上書きできます。次に例を示します。
    CLIENT_NETWORK_MTU = 8192
  • PORT_REMAP:ノードが内部でのグリッド ノードの通信またはクライアントと外部の通信に使用するポートを再マッピングします。StorageGRID Webscaleで使用される1つ以上のポートがエンタープライズ ネットワーク ポリシーによって制限される場合は、ポートの再マッピングが必要です。StorageGRID Webscaleで使用されるポートのリストは、「内部でのグリッド ノードの通信」または「クライアントと外部の通信」で参照できます。
    注:PORT_REMAPのみを設定すると、指定したマッピングがインバウンド通信とアウトバウンド通信の両方に使用されます。PORT_REMAP_INBOUNDを併せて指定した場合は、PORT_REMAPがアウトバウンド通信のみに適用されます。

    使用する形式は、<network type>/<protocol>/<default port used by grid node>/<new port>です。<network type>にはgrid、admin、clientのいずれかを指定し、<protocol>にはtcpまたはudpを指定します。

    次に例を示します。
    PORT_REMAP = client/tcp/18082/443
    この例の設定だけを使用した場合は、グリッド ノードのインバウンド通信とアウトバウンド通信の両方が、ポート18082からポート443へと対称的にマッピングされます。この例の設定をPORT_REMAP_INBOUNDとともに使用した場合は、アウトバウンド通信がポート18082からポート443にマッピングされます。
  • PORT_REMAP_INBOUND:指定したポートのインバウンド通信を再マッピングします。PORT_REMAP_INBOUNDを指定してPORT_REMAPに値を指定しなかった場合、ポートのアウトバウンド通信は変更されません。

    使用する形式は、<network type>/<protocol>/<new inbound port>/<default inbound port used by grid node>です。<network type>にはgrid、admin、clientのいずれかを指定し、<protocol>にはtcpまたはudpを指定します。

    次に例を示します。
    PORT_REMAP_INBOUND = client/tcp/443/18082
    この例では、ポート443に送信されるトラフィックが、内部のファイアウォールを経由してポート18082(グリッド ノードがS3要求をリスンするポート)に転送されます。

ノード固有のパラメータ

構成ファイルには、各ノード専用のセクションがあります。各ノードには次の設定が必要です。
  • セクション ヘッダーでは、グリッド管理インターフェイスに表示されるノード名が定義されます。この値は、ノードのNODE_NAMEパラメータ(オプション)を指定することで上書きできます。
  • NODE_TYPE:VM_Admin_Node、VM_Storage_Node、VM_Archive_Node、VM_API_Gateway_Nodeのいずれか。
  • GRID_NETWORK_IP:グリッド ネットワークでのノードのIPアドレス。
  • ADMIN_NETWORK_IP:管理ネットワークでのノードのIPアドレス。ノードが管理ネットワークに接続され、かつADMIN_NETWORK_CONFIGがSTATICに設定されている場合にのみ必要です。
  • CLIENT_NETWORK_IP:クライアント ネットワークでのノードのIPアドレス。ノードがクライアント ネットワークに接続され、かつノードのCLIENT_NETWORK_CONFIGがSTATICに設定されている場合にのみ必要です。
  • ADMIN_IP:グリッド ネットワークでのプライマリ管理ノードのIPアドレス。プライマリ管理ノードのGRID_NETWORK_IPで指定した値を使用します。このパラメータを省略すると、ノードはmDNSを使用してプライマリ管理ノードのIPを検出しようとします。詳細については、「グリッド ノードによるプライマリ管理ノードの検出」を参照してください。
    注:プライマリ管理ノードではADMIN_IPパラメータが無視されます。
  • グローバルに設定されていないすべてのパラメータ。たとえば、ノードが管理ネットワークに接続される場合に、ADMIN_NETWORKパラメータをグローバルに指定しなかったときは、そのノードに対してADMIN_NETWORKパラメータを指定する必要があります。
ノードごとに、次のパラメータの一方または両方をオプションで指定できます。

プライマリ管理ノード

プライマリ管理ノードには次の設定を追加する必要があります。
  • NODE_TYPE:VM_Admin_Node
  • ADMIN_ROLE:Primary
次のエントリ例は、プライマリ管理ノードが3つのネットワークすべてに接続される場合を示しています。
[DC1-ADM1]
  ADMIN_ROLE = Primary
  NODE_TYPE = VM_Admin_Node
  
  GRID_NETWORK_IP = 10.1.0.2
  ADMIN_NETWORK_IP = 10.3.0.2
  CLIENT_NETWORK_IP = 10.4.0.2
プライマリ管理ノードにオプションで追加できる設定は次のとおりです。
  • DISK:デフォルトでは、管理ノードに対して監査用とデータベース用の2つの200GBハードディスクが追加で割り当てられます。DISKパラメータを使用して、この容量を増やすことができます。次に例を示します。
    DISK = INSTANCES=2, CAPACITY=300
注:管理ノードの場合は、INSTANCESを必ず2にする必要があります。

ストレージ ノード

ストレージ ノードには次の設定を追加する必要があります。
  • NODE_TYPE:VM_Storage_Node
ストレージ ノードにオプションで追加できる設定は次のとおりです。
  • DISK:デフォルトでは、ストレージ ノードに対してRangeDB用に3つの4TBディスクが割り当てられます。DISKパラメータを使用して、この容量を増やすことができます。
次のエントリ例は、ストレージ ノードがグリッド ネットワークと管理ネットワークに接続され、クライアント ネットワークに接続されない場合を示しています。このノードでは、ADMIN_IP設定を使用してグリッド ネットワークでのプライマリ管理ノードのIPアドレスを指定しています。
[DC1-S1]
  NODE_TYPE = VM_Storage_Node

  GRID_NETWORK_IP = 10.1.0.3
  ADMIN_NETWORK_IP = 10.3.0.3

  ADMIN_IP = 10.1.0.2
2番目のエントリ例は、ストレージ ノードがクライアント ネットワークに接続される場合を示しています。ここでは、S3クライアント アプリケーションがストレージ ノードへのアクセスに使用できるポートが、ユーザのエンタープライズ ネットワーク ポリシーによって80または443に制限されています。この例の構成ファイルでは、PORT_REMAPを使用して、ストレージ ノードがポート443でS3メッセージを送受信できるようにしています。
[DC2-S1]
  NODE_TYPE = VM_Storage_Node

  GRID_NETWORK_IP = 10.1.1.3
  CLIENT_NETWORK_IP = 10.4.1.3
  PORT_REMAP = client/tcp/18082/443

  ADMIN_IP = 10.1.0.2
最後の例では、sshトラフィックに対してポート22からポート3022への対称的な再マッピングが作成されますが、インバウンドとアウトバウンドの両方のトラフィックに明示的に値が設定されます。
[DC1-S3]
  NODE_TYPE = VM_Storage_Node

  GRID_NETWORK_IP = 10.1.1.3
  
  PORT_REMAP = grid/tcp/22/3022
  PORT_REMAP_INBOUND = grid/tcp/3022/22

  ADMIN_IP = 10.1.0.2

アーカイブ ノード

アーカイブ ノードには次の設定を追加する必要があります。
  • NODE_TYPE:VM_Archive_Node
次のエントリ例は、アーカイブ ノードがグリッド ネットワークと管理ネットワークに接続され、クライアント ネットワークに接続されない場合を示しています。
[DC1-ARC1]
  NODE_TYPE = VM_Archive_Node
  
  GRID_NETWORK_IP = 10.1.0.4
  ADMIN_NETWORK_IP = 10.3.0.4

  ADMIN_IP = 10.1.0.2

APIゲートウェイ ノード

APIゲートウェイ ノードには次の設定を追加する必要があります。
  • NODE_TYPE:VM_API_Gateway
次のエントリ例は、APIゲートウェイ ノードが3つのネットワークすべてに接続される場合を示しています。この例では、構成ファイルのグローバル セクションでクライアント ネットワークのパラメータが指定されていないため、ノードに対してそれらのパラメータを指定する必要があります。
[DC1-G1] 
  NODE_TYPE = VM_API_Gateway 

  GRID_NETWORK_IP = 10.1.0.5
  ADMIN_NETWORK_IP = 10.3.0.5

  CLIENT_NETWORK_CONFIG = STATIC
  CLIENT_NETWORK_TARGET = SG-Client-Network
  CLIENT_NETWORK_MASK = 255.255.255.0
  CLIENT_NETWORK_GATEWAY = 10.4.0.1
  CLIENT_NETWORK_IP = 10.4.0.5

  ADMIN_IP = 10.1.0.2

非プライマリ管理ノード

非プライマリ管理ノードには次の設定を追加する必要があります。
  • NODE_TYPE:VM_Admin_Node
  • ADMIN_ROLE:Non-Primary
次のエントリ例は、非プライマリ管理ノードがクライアント ネットワークに接続されない場合を示しています。
[DC2-ADM1]
  ADMIN_ROLE = Non-Primary
  NODE_TYPE = VM_Admin_Node

  GRID_NETWORK_TARGET = SG-Grid-Network
  GRID_NETWORK_IP = 10.1.0.6
  ADMIN_NETWORK_IP = 10.3.0.6

  ADMIN_IP = 10.1.0.2
非プライマリ管理ノードにオプションで追加できる設定は次のとおりです。
  • DISK:デフォルトでは、管理ノードに対して監査用とデータベース用の2つの200GBハードディスクが追加で割り当てられます。DISKパラメータを使用して、この容量を増やすことができます。次に例を示します。
    DISK = INSTANCES=2, CAPACITY=300
注:管理ノードの場合は、INSTANCESを必ず2にする必要があります。