このセクションでは、StorageGRID WebscaleでのS3 PUT Object処理のサポートの詳細を説明します。
競合するクライアント要求(2つのクライアントが同じキーに書き込む場合など)は、「latest-wins」ベースで解決されます。「latest-wins」評価は、S3クライアントが処理を開始するタイミングではなく、StorageGRID Webscaleシステムが特定の要求を完了したタイミングで行われます。
StorageGRID Webscaleは、サイズが最大5TBのオブジェクトをサポートします。
StorageGRID Webscaleでは、非所有者アカウントまたは匿名ユーザによって作成されたオブジェクトを含むすべてのオブジェクトが、バケット所有者アカウントによって所有されます。
x-amz-storage-class要求ヘッダーがサポートされています。指定できる値は次のとおりです。
(デフォルト)デュアルコミットの取り込み処理を指定します。オブジェクトが取り込まれるとすぐにそのオブジェクトの2つ目のコピーが作成され、別のストレージ ノードに分散されます。オブジェクトがアクティブ ポリシー内のILMルールに一致した場合、デュアル コミットによる初期コピーがルールの配置手順を満たしているかどうかがStorageGRID Webscaleによって判断されます。満たしていない場合、オブジェクトはILM評価キューに追加されます。オブジェクトが再評価される際、新しいオブジェクトのコピーを別の場所に作成して、デュアル コミットによる初期コピーを削除することが必要になる場合があります。
シングルコミットの取り込み処理を指定します。取り込み時に冗長なストレージを制限する必要がある場合で、オブジェクト データが失われるリスクがあっても構わない場合にのみ、REDUCED_REDUNDANCYを指定します。たとえば、ILM評価の前にコピーが1つだけ格納されていたストレージ ノードに障害が発生すると、データが失われる恐れがあります。
REDUCED_REDUNDANCYの指定は、オブジェクトを最初に取り込む際に作成されるコピー数のみに影響します。アクティブなILMポリシーによる評価の際に作成されるオブジェクトのコピー数には影響しません。REDUCED_REDUNDANCYを使用することで、StorageGRID Webscaleシステムに格納されるオブジェクトの冗長性が低下するわけではありません。
次の要求ヘッダーがサポートされています。
x-amz-meta-name: value
x-amz-meta-creation-time: 1443399726creation-timeの値は、1970年1月1日を起点とした秒数として評価されます。
次の要求ヘッダーはサポートされていません。指定した場合はXNotImplementedが返されます。
バケットでバージョン管理が有効になっている場合、格納されるオブジェクトのバージョンごとに一意のversionIdが自動的に生成されます。このversionIdは、x-amz-version-id応答ヘッダーを使用した応答でも返されます。
バージョン管理が一時停止中の場合は、versionIdがnullの状態でオブジェクトのバージョンが格納され、nullのバージョンがすでに存在する場合は上書きされます。