ファイルシステムの追加または管理操作を行う前に、前提条件と制限事項を理解しておく必要があります。またキャッシュ デバイスを追加する場合は、関連する前提条件と制限事項も参照する必要があります。
ネットワーク サービス
- SMBファイルシステムを追加するには、NAS Bridgeに対してActive Directoryサーバを定義しておく必要があります。
- NFSファイルシステムを追加するには、Active Directoryサーバまたは、DNSサーバとNTPサーバを定義しておく必要があります。通常、これらのネットワーク サービスは、NAS Bridgeの導入および初期設定時に設定します。
キャッシュ デバイス
ファイルシステムはそれぞれキャッシュ デバイスに関連付ける必要があります。ファイルシステムをキャッシュ デバイスに割り当てるには、次の2つの方法があります。
- 複数のファイルシステムを単一のキャッシュ デバイスに関連付ける(N:1)。
- 1つのファイルシステムを単一のキャッシュ デバイスに関連付ける(1:1)。
1:1モデルの方が、より多くのドライブが必要になりますが、ファイルシステム間の分離性は高くなります。この分離によってパフォーマンスが向上し、複数のファイルシステムに波及しかねないキャッシュ デバイスの問題による影響を抑えることができます。
したがって、次のように、1:1モデルを使用して、ファイルシステムごとに専用のキャッシュ デバイスを指定することを推奨します。
- 追加するファイルシステムごとに別々のキャッシュ デバイスを定義します。
- 各ファイルシステムを専用のキャッシュ デバイスに関連付けます。
StorageGRIDバケット
ファイルシステムを追加するには、StorageGRIDシステムをアクティブにし、NAS Bridgeで定義する必要があります。StorageGRID APIゲートウェイ ノードの定義または特定は、通常NAS Bridgeの初期設定時に行います。
すべてのファイルシステムは、単一の、専用のStorageGRID S3バケットに配置されます。ファイルシステムを追加すると、NAS Bridgeは指定したバケットを検索し、見つかった場合はそれを使用します。バケットが見つからない場合は、NAS Bridgeがバケットを作成します。以下の理由により、ファイルシステムの追加時点で、指定したバケットがすでに存在していることがあります。
- 以前のファイルシステムが同じバケット名を使用していたが、そのファイルシステムが削除されている(バケットの孤立)。
- StorageGRIDシステムへのアクセス権を持つユーザが、S3準拠ツールを使用してNAS Bridge外にバケットを作成している。
NAS Bridgeファイルシステムが削除されても、バケットが変更されたり、StorageGRIDシステムから削除されたりすることはありません。あとから同じバケットを使用してファイルシステムを追加すると、前のファイル データがバケットから読み出され、新しいファイルシステムを介してエクスポートされます。
注意:S3準拠ツールを使用してStorageGRID S3バケット内のNAS Bridgeクライアント データを表示および読み出すことはできますが、NAS Bridgeで使用されているS3バケットに対してオブジェクトを削除、変更、または追加するとデータの破損や損失が発生する可能性があります。
注意:S3バケットをファイルシステムに初めて割り当てると、そのファイルシステムにはプライマリのロールが自動的に割り当てられます。同じS3バケットを複数のNAS Bridge仮想マシンからファイルシステムに割り当てた場合は、後続の各ファイルシステムにセカンダリのロールが割り当てられます。NAS Bridgeは、データの破損や損失を防ぐためにこれらのロールを割り当てます。クライアントはセカンダリのロールが割り当てられたファイルシステムをマウントできません。また、ロールを手動で変更することもできません。
注意:NAS Bridgeで処理されるバケットに関連付けられているILMルールによってオブジェクトがパージまたは削除されないことを確認してください。すべての削除処理は、共有 / マウント ポイントのレベルで実行される必要があります。また、ILMルールによって、StorageGRID外部(Glacierなどのクラウド ストレージ等)にあるオブジェクトが階層化されないようにしてください。
既知の制限事項
ファイルシステムを作成する際に適用されるいくつかの既知の制限事項があります。
- SetuidビットとSetgidビット
- マウントされたNFSクライアントによるchown処理中、setuidビットおよびsetgidビットは対応するStorageGRIDオブジェクトに保存されません。通常これらのビットはchown処理で変更されますが、この場合は消去されてしまいます。
- SMBファイル属性
- NAS Bridgeで承認または保存されないSMBファイル属性がいくつかあります。次の属性はサポートされていません。
- FILE_ATTRIBUTE_OFFLINE(0x1000)
- FILE_ATTRIBUTE_TEMPORARY(0x100)
- 拡張属性のファイル サイズの上限
- NAS Bridgeでは、すべてのファイルシステムに対して拡張属性がファイルあたり20キロバイト(KB)に制限されます。アプリケーションが20KBを超えて拡張属性に書き込もうとすると、ENOSPCエラーが返されます。
- CloudMirrorとの非互換性
- プラットフォーム サービスCloudMirrorをNAS Bridgeと一緒に使用しないでください。NAS Bridgeには順序保証とベースラインの再設定が必要ですが、これらの機能はCloudMirrorでは使用できません。