ノード移行機能を使用して、あるホストから別のホストに手動でノードを移動することができます。これは、同じ物理データセンターにあるホスト間で行うのが一般的です。
ノード移行を使用すると、グリッドの運用を中断せずに物理ホストのメンテナンスを行うことができます。方法は簡単で、StorageGRIDのすべてのノードを一度に1つずつ別のホストに移動してから物理ホストをオフラインにします。ノードを1つずつ移行するため、それぞれのダウンタイムはごくわずかであり、グリッド サービスの運用や可用性には影響しません。
仮想ホストを使用する場合、基盤となるハイパーバイザー レイヤでVMの移行がサポートされていれば、その機能をStorageGRIDのノード移行機能の代わりに使用することができます。その場合、これらの追加要件は無視してかまいません。
移行またはハイパーバイザーのメンテナンスを実行する前に、ノードを正常にシャットダウンしてください。グリッド ノードのシャットダウンについては、リカバリとメンテナンスの手順を参照してください。
ノードを別のホストに移動するにあたり、StorageGRIDホスト サービスでは、ノードが現在の場所で使用している外部ネットワーク接続を新しい場所でもそのまま使用できるようにする必要があります。これは、ホスト間で一貫したネットワーク インターフェイス名を使用することで実現されます。
たとえば、Host1で実行されているStorageGRID NodeAで、インターフェイスのマッピングが次のように設定されているとします。
矢印の左側は、StorageGRIDコンテナ内から見た従来のインターフェイス(グリッド ネットワーク、管理ネットワーク、およびクライアント ネットワークのインターフェイス)です。矢印の右側は、それらのネットワークを提供するホストの実際のインターフェイス(同じ物理インターフェイス ボンドに属する3つのVLANインターフェイス)です。
このNodeAをHost2に移行するとします。bond0.1001、bond0.1002、およびbond0.1003という名前のインターフェイスがHost2にもあれば、Host2でも同じ名前のインターフェイスによってHost1と同じ接続が提供されると見なされて移動が許可されます。Host2に同じ名前のインターフェイスがなければ、移動は許可されません。
複数のホストで一貫したネットワーク インターフェイス名を使用するように構成するには、さまざまな方法があります。例については、「ホスト ネットワークの設定」を参照してください。
この処理では、ノードのすべてのシステム メタデータ ボリュームとオブジェクト ストレージ ボリュームにHostAとHostBの両方からアクセスできないと移行は実行できません。また、HostAとHostBで同じLUNを参照するように、同じ名前を使用してノードにマッピングされている必要があります。
次に、StorageGRIDのストレージ ノード用のブロック デバイス マッピングの例を示します。これらのホストではDMマルチパスを使用しており、/etc/multipath.confでaliasフィールドを使用して、すべてのホストで使用できる一貫性のあるわかりやすい名前をブロック デバイスに割り当てています。