ノード構成ファイルは、ノードを起動して適切なネットワークおよびブロック ストレージ リソースに接続するためにStorageGRIDホスト サービスで必要となる情報をまとめた小さいテキスト ファイルです。ノード構成ファイルは仮想ノードに対して使用し、アプライアンス ノードでは使用しません。
StorageGRIDノードの構成ファイルは、そのノードを実行するホストの /etc/storagegrid/nodesディレクトリにそれぞれ配置する必要があります。たとえば、HostAで管理ノード、APIゲートウェイ ノード、およびストレージ ノードを1つずつ実行する場合は、3つのノード構成ファイルをHostAの/etc/storagegrid/nodesに配置する必要があります。構成ファイルは、vimやnanoなどのテキスト エディタを使用して各ホストで直接作成することも、別の場所で作成して各ホストに移動することもできます。
構成ファイルの名前は、 <node-name>.confの形式にする必要があります。<node-name>はノードに割り当てる名前です。この名前はStorageGRIDインストーラに表示され、ノード移行などのノードのメンテナンス処理で使用されます。
ノードの名前は次のルールに従って付ける必要があります。
この命名規則に従っていない/etc/storagegrid/nodes内のファイルはホスト サービスで解析されません。
<site>-<node-type><node-number>.confたとえば、データセンター1の1つ目の管理ノードはdc1-adm1.conf、データセンター2の3つ目のストレージ ノードはdc2-sn3.confのようになります。ただし、すべてのノード名がルールに従っていれば、別の名前にしてもかまいません。
構成ファイルには、キーと値のペアが1行に1つずつ含まれます。それぞれのキーと値のペアは、次のルールに従って指定する必要があります。
キーの種類に応じて、すべてのノードで必要なもの、省略可能なもの、特定のノード タイプでのみ必要なものがあります。
次の表は、サポートされているすべてのキーについて使用できる値を示したものです。中央の列は、そのキーが必須(R)、ベストプラクティス(BP)、省略可能(O)のいずれであるかを示しています。
キー | R、BP、またはO | 値 |
---|---|---|
ADMIN_IP |
BP | このノードが属するグリッドのプライマリ管理ノードのグリッド ネットワークのIPv4アドレス。NODE_TYPE = VM_Admin_NodeおよびADMIN_ROLE = Primaryのグリッド ノードのGRID_NETWORK_IPに指定した値と同じ値を使用します。このパラメータを省略すると、mDNSを使用してプライマリ管理ノードの検出が試行されます。 「グリッド ノードによるプライマリ管理ノードの検出」を参照してください。
注:この値は無視されます。また、プライマリ管理ノードでは禁止される場合があります。
|
ADMIN_NETWORK_CONFIG |
O |
DHCP、STATIC、またはDISABLED (指定しない場合のデフォルトはDISABLED) |
ADMIN_NETWORK_ESL |
O |
このノードが管理ネットワーク ゲートウェイを介して通信するサブネット(CIDR表記)をカンマで区切ったリスト。 例:172.16.0.0/21,172.17.0.0/21 |
ADMIN_NETWORK_GATEWAY |
O(R) |
このノードのローカルの管理ネットワーク ゲートウェイのIPv4アドレス。ADMIN_NETWORK_IPおよびADMIN_NETWORK_MASKで定義されるサブネットに属している必要があります。この値は、DHCPによって設定されたネットワークでは無視されます。 注:このパラメータは、ADMIN_NETWORK_ESLが指定されている場合は必須です。
例:
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ADMIN_NETWORK_IP |
O |
このノードの管理ネットワークにおけるIPv4アドレス。このキーが必要なのは、ADMIN_NETWORK_CONFIG = STATICの場合だけです。それ以外の値の場合は指定しないでください。 例:
|
ADMIN_NETWORK_MAC |
O |
コンテナ内の管理ネットワーク インターフェイスのMACアドレス。 このフィールドは省略可能です。省略した場合、MACアドレスが自動的に生成されます。 6つの16進値をコロンで区切って指定する必要があります。 例:b2:9c:02:c2:27:10 |
ADMIN_NETWORK_MASK |
O |
このノードの管理ネットワークにおけるIPv4ネットマスク。このキーが必要なのは、ADMIN_NETWORK_CONFIG = STATICの場合だけです。それ以外の値の場合は指定しないでください。 例:
|
ADMIN_NETWORK_MTU |
O |
このノードの管理ネットワークでの最大伝送ユニット(MTU)。ADMIN_NETWORK_CONFIG = DHCPの場合は指定しないでください。指定できる値は、68~65535です。省略すると1400に設定されます。 例:
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ADMIN_NETWORK_TARGET | BP | StorageGRIDノードで管理ネットワークのアクセスに使用するホスト デバイスの名前。ネットワーク インターフェイス名のみがサポートされています。通常、GRID_NETWORK_TARGETまたはCLIENT_NETWORK_TARGETに指定したインターフェイス名とは別のインターフェイス名を使用します。 ベストプラクティス:管理ネットワークのIPアドレスは、このノードで最初は使用しない場合でも値を指定しておきます。そうすることで、ホストでノードの設定を再度行わなくても、管理ネットワークのIPアドレスをあとから追加することができます。 例:
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ADMIN_NETWORK_TARGET_TYPE |
O |
インターフェイス (この値のみがサポートされています) |
ADMIN_ROLE | R | PrimaryまたはNon-Primary このキーが必要なのは、NODE_TYPE = VM_Admin_Nodeの場合だけです。それ以外のタイプのノードの場合は指定しないでください。 |
BLOCK_DEVICE_AUDIT_LOGS | R | このノードで監査ログの永続的なストレージに使用するブロック デバイス スペシャル ファイルのパスと名前。このキーが必要なのは、NODE_TYPE = VM_Admin_Nodeのノードだけです。それ以外のタイプのノードの場合は指定しないでください。 例:
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BLOCK_DEVICE_RANGEDB_00 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_01 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_02 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_03 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_04 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_05 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_06 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_07 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_08 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_09 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_10 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_11 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_12 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_13 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_14 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_15 |
R | このノードでオブジェクトの永続的なストレージに使用するブロック デバイス スペシャル ファイルのパスと名前。このキーが必要なのは、NODE_TYPE = VM_Storage_Nodeのノードだけです。それ以外のタイプのノードの場合は指定しないでください。 BLOCK_DEVICE_RANGEDB_00のみが必須で、それ以外は省略可能です。BLOCK_DEVICE_RANGEDB_00に指定するブロック デバイスは4TB以上である必要があります。それ以外は4TB未満でもかまいません。
注:間は空けずに続けて指定してください。BLOCK_DEVICE_RANGEDB_05を指定する場合は、BLOCK_DEVICE_RANGEDB_04も指定されている必要があります。
例:
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BLOCK_DEVICE_TABLES |
R | このノードでデータベース テーブルの永続的なストレージに使用するブロック デバイス スペシャル ファイルのパスと名前。このキーが必要なのは、NODE_TYPE = VM_Admin_Nodeのノードだけです。それ以外のタイプのノードの場合は指定しないでください。 例:
|
BLOCK_DEVICE_VAR_LOCAL |
R | このノードの/var/localの永続的なストレージに使用するブロック デバイス スペシャル ファイルのパスと名前。 例:
|
CLIENT_NETWORK_CONFIG |
O |
DHCP、STATIC、またはDISABLED (指定しない場合のデフォルトはDISABLED) |
CLIENT_NETWORK_GATEWAY |
O |
このノードのローカルのクライアント ネットワーク ゲートウェイのIPv4アドレス。CLIENT_NETWORK_IPおよびCLIENT_NETWORK_MASKで定義されるサブネットに属している必要があります。この値は、DHCPによって設定されたネットワークでは無視されます。 例:
|
CLIENT_NETWORK_IP |
O |
このノードのクライアント ネットワークにおけるIPv4アドレス。このキーが必要なのは、CLIENT_NETWORK_CONFIG = STATICの場合だけです。それ以外の値の場合は指定しないでください。 例:
|
CLIENT_NETWORK_MAC |
O |
コンテナ内のクライアント ネットワーク インターフェイスのMACアドレス。 このフィールドは省略可能です。省略した場合、MACアドレスが自動的に生成されます。 6つの16進値をコロンで区切って指定する必要があります。 例:b2:9c:02:c2:27:20 |
CLIENT_NETWORK_MASK |
O |
このノードのクライアント ネットワークにおけるIPv4ネットマスク。このキーが必要なのは、CLIENT_NETWORK_CONFIG = STATICの場合だけです。それ以外の値の場合は指定しないでください。 例:
|
CLIENT_NETWORK_MTU |
O |
このノードのクライアント ネットワークでの最大伝送ユニット(MTU)。CLIENT_NETWORK_CONFIG = DHCPの場合は指定しないでください。指定できる値は、68~65535です。省略すると1400に設定されます。 例:
|
CLIENT_NETWORK_TARGET |
BP |
StorageGRIDノードでクライアント ネットワークのアクセスに使用するホスト デバイスの名前。ネットワーク インターフェイス名のみがサポートされています。通常、GRID_NETWORK_TARGETまたはADMIN_NETWORK_TARGETに指定したインターフェイス名とは別のインターフェイス名を使用します。 ベストプラクティス:クライアント ネットワークのIPアドレスは、このノードで最初は使用しない場合でも値を指定しておきます。そうすることで、ホストでノードの設定を再度行わなくても、クライアント ネットワークのIPアドレスをあとから追加することができます。 例:
|
CLIENT_NETWORK_TARGET_TYPE |
O |
インターフェイス (この値のみがサポートされています) |
GRID_NETWORK_CONFIG |
BP |
STATICまたはDHCP (指定しない場合のデフォルトはSTATIC) |
GRID_NETWORK_GATEWAY |
R |
このノードのローカルのグリッド ネットワーク ゲートウェイのIPv4アドレス。GRID_NETWORK_IPおよびGRID_NETWORK_MASKで定義されるサブネットに属している必要があります。この値は、DHCPによって設定されたネットワークでは無視されます。 グリッド ネットワークのサブネットが1つだけでゲートウェイがない場合は、サブネットの標準のゲートウェイ アドレス(X.Y.Z.1)か、このノードのGRID_NETWORK_IPの値を使用します。このどちらかの値にしておけば、以降にグリッド ネットワークを拡張するときに処理が簡単になります。 |
GRID_NETWORK_IP |
R |
このノードのグリッド ネットワークにおけるIPv4アドレス。このキーが必要なのは、GRID_NETWORK_CONFIG = STATICの場合だけです。それ以外の値の場合は指定しないでください。 例:
|
GRID_NETWORK_MAC |
O |
コンテナ内のグリッド ネットワーク インターフェイスのMACアドレス。 このフィールドは省略可能です。省略した場合、MACアドレスが自動的に生成されます。 6つの16進値をコロンで区切って指定する必要があります。 例:b2:9c:02:c2:27:30 |
GRID_NETWORK_MASK |
O |
このノードのグリッド ネットワークにおけるIPv4ネットマスク。このキーが必要なのは、GRID_NETWORK_CONFIG = STATICの場合だけです。それ以外の値の場合は指定しないでください。 例:
|
GRID_NETWORK_MTU |
O |
このノードのグリッド ネットワークでの最大伝送ユニット(MTU)。GRID_NETWORK_CONFIG = DHCPの場合は指定しないでください。指定できる値は、68~65535です。省略すると1400に設定されます。 例:
|
GRID_NETWORK_TARGET |
R |
StorageGRIDノードでグリッド ネットワークのアクセスに使用するホスト デバイスの名前。ネットワーク インターフェイス名のみがサポートされています。通常、ADMIN_NETWORK_TARGETまたはCLIENT_NETWORK_TARGETに指定したインターフェイス名とは別のインターフェイス名を使用します。 例:
|
GRID_NETWORK_TARGET_TYPE |
O |
インターフェイス (この値のみがサポートされています) |
MAXIMUM_RAM |
O |
このノードに使用を許可するRAMの最大容量。このキーを省略した場合はメモリが制限されません。本番用のノードについて設定するときは、このフィールドの値を24g(24GB)未満にはしないでください。 このフィールドの形式は<number><unit>です。<unit>には、b、k、m、またはgのいずれかを指定できます。 例: 24g 38654705664b 注:このオプションを使用する場合は、memory cgroupsのカーネル サポートを有効にする必要があります。
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NODE_TYPE |
R |
ノードのタイプ:
|
PORT_REMAP |
O |
ノードが内部でのグリッド ノードの通信や外部との通信に使用するポートを再マッピングします。ポートの再マッピングが必要になるのは、StorageGRIDで使用される1つ以上のポートがエンタープライズ ネットワーク ポリシーで制限されている場合です。詳細については、「内部でのグリッド ノードの通信」または「外部との通信」を参照してください。 注:PORT_REMAPのみを設定すると、指定したマッピングがインバウンド通信とアウトバウンド通信の両方に使用されます。PORT_REMAP_INBOUNDを併せて指定した場合は、PORT_REMAPがアウトバウンド通信のみに適用されます。
使用する形式は、<network type>/<protocol>/<default port used by grid node>/<new port>です。<network type>にはgrid、admin、clientのいずれかを指定し、<protocol>にはtcpまたはudpを指定します。 次に例を示します。
PORT_REMAP = client/tcp/18082/443 |
PORT_REMAP_INBOUND |
O |
指定したポートのインバウンド通信を再マッピングします。PORT_REMAP_INBOUNDを指定してPORT_REMAPに値を指定しなかった場合、ポートのアウトバウンド通信は変更されません。 使用する形式は、<network type>/<protocol:>/<remapped port >/<default port used by grid node>です。<network type>にはgrid、admin、clientのいずれかを指定し、<protocol>にはtcpまたはudpを指定します。 次に例を示します。PORT_REMAP_INBOUND = grid/tcp/3022/22 |