StorageGRIDが準拠バケットに適用する制限事項と、準拠がオブジェクトのライフサイクルに及ぼす影響について、十分に理解してください。
準拠バケットを使用する場合の制限事項
- 準拠バケットの作成を開始する前に、グローバル準拠設定を有効にする必要があります。グローバル設定が無効の場合は、Tenant Managerの[Compliance]フィールドが表示されず、テナント管理APIまたはS3 REST APIで準拠バケットを作成しようとするとエラーが発生します。
- 準拠バケットを作成する場合は、準拠を有効にし、バケットを作成する際に準拠設定を指定する必要があります。バケットを保存したあとで、そのバケットで準拠を有効または無効にすることはできません。
- バケットの保持期間には、バケットに含まれる各オブジェクトをStorageGRID内で保持(格納)する必要がある最低期間を指定します。
- バケット設定を編集して保持期間を延長できますが、短縮することはできません。
- 組織が係争中の訴訟や規制上の調査に関する通知を受け取った場合、バケットをリーガル ホールドの対象にすることで関連情報を保持できます。バケットがリーガル ホールドの対象になると、そのバケット内のオブジェクトは保持期間が過ぎても削除できません。リーガル ホールドを解除すると、保持期間の終了後にバケット内のオブジェクトを削除できるようになります。
- バケットの準拠設定にかかわらず、いつでも準拠バケットに新しいオブジェクトを追加できます。
- バケットの準拠設定にかかわらず、いつでも準拠バケットからオブジェクトを読み出すことができます。
- オブジェクトのバージョン管理は、準拠バケットをサポートしていません。
準拠バケット内のオブジェクトの制限事項
準拠バケットに保存された各オブジェクトは、以下の3つの段階を経て処理されます。
- オブジェクトの取り込み
- オブジェクトが取り込まれると、システムによって、一意のオブジェクトID(UUID)や取り込み日時など、オブジェクトのメタデータが生成されます。オブジェクトはバケットの準拠設定を継承します。
- オブジェクトが準拠バケットに取り込まれたあと、そのデータ、S3ユーザ定義メタデータ、またはS3オブジェクト タグは、保持期間が過ぎても変更できません。
- StorageGRIDは、冗長性を確保し、オブジェクト メタデータを損失から保護するために、各サイトですべてのオブジェクト メタデータのコピーを3つ保持します。メタデータは、オブジェクト データとは別に格納されます。
- 保持期間
- オブジェクトの削除
- オブジェクトの保持期間が終了すると、バケットのリーガル ホールドが有効になっている場合を除き、オブジェクトのすべてのコピーを削除できます。
- オブジェクトの保持期間が終了すると、バケットレベルの準拠設定で、オブジェクトの削除方法(ユーザが必要に応じて手動で削除するか、システムによって自動的に削除する)を指定できます。
- バケットの設定でオブジェクトを自動的に削除するよう指定した場合は、StorageGRIDでのILMのスキャン処理によって、オブジェクトのすべてのコピーが削除されます。保持期間が終了すると、オブジェクトが削除されるようスケジュールが設定されます。すべてのオブジェクト コピーの削除に要する時間は、グリッド内のオブジェクト数や、グリッド処理のビジー状態によって異なります。