データ保護オプションのメリット、デメリット、および制限事項

取り込み時にデータを保護するための3つのオプション(Balanced、Strict、Dual commit)は、それぞれに適した状況があります。それぞれのメリットとデメリットを理解することで、ILMルールにどのオプションを選択するかを決定する際に役立ちます。

Balancedオプションを使用する状況

Balancedオプションは、データ保護、グリッド パフォーマンス、および取り込みの成功を最適なバランスで実現するために使用します。Balancedは、ILMルール ウィザードのデフォルト オプションです。

Strictオプションを使用する状況

Strictオプションは、ILMルールに指定された場所にのみオブジェクトをただちに格納する必要があるという運用または規制要件がある場合に使用します。たとえば、規制の要件を満たすために、Strictオプションと高度なフィルタの「Location Constraint」を使用して、オブジェクトが特定のデータセンターには格納されないようにすることができます。

例5:取り込み動作がStrictのILMルールとポリシー

Dual commitオプションを使用する状況

Dual commitオプションは、次のいずれかの状況で使用します。

BalancedオプションとStrictオプションのメリット

取り込み時に中間コピーを作成するDual commitと比較すると、これらの2つの同期配置オプションには次のメリットがあります。

BalancedオプションとStrictオプションのデメリット

Dual commitに比べて、BalancedオプションとStrictオプションにはいくつかのデメリットがあります。

BalancedオプションとStrictオプションを使用したオブジェクトの配置に関する制限事項

ILMルールと整合性制御の相互作用によるデータ保護への影響

ILMルールと整合性制御は、どちらもオブジェクトの保護方法に影響します。この2つの設定は相互に作用します。

たとえば、ILMルールで選択された取り込み動作はオブジェクト コピーの初期配置に影響し、オブジェクトの格納時に使用される整合性制御はオブジェクト メタデータの初期配置に影響します。StorageGRIDはクライアント要求に対応するためにオブジェクトのメタデータとデータの両方にアクセスする必要があります。そのため、整合性レベルと取り込み動作で同じ保護レベルを使用すると、初期のデータ保護を適切に実施し、システムの動作をより予測できるようになります。

StorageGRIDで使用できる整合性制御の概要を次に示します。
  • all:すべてのノードが即座にオブジェクト メタデータを受け取り、受け取れない場合は要求が失敗します。
  • strong-global:オブジェクト メタデータがすべてのサイトにただちに分散されます。すべてのサイトのすべてのクライアント要求について、リードアフターライト整合性が保証されます。
  • strong-site:オブジェクト メタデータが同じサイトの他のノードにただちに分散されます。あるサイト内のすべてのクライアント要求について、リードアフターライト整合性が保証されます。
  • read-after-new-write:新規オブジェクトについてはリードアフターライト整合性が提供され、オブジェクトの更新については結果整合性が提供されます。高可用性が確保され、データ保護が保証されます。
  • available(HEAD処理は結果整合性):read-after-new-write整合性レベルと動作は同じですが、HEAD処理については結果整合性のみ提供されます。
  • weak:結果整合性と高可用性が提供され、最低限のデータ保護が保証されます(特に、ストレージ ノードが障害または使用不可の状態に陥った場合)。
注: 整合性レベルを選択する前に、S3またはSwiftクライアント アプリケーションの作成手順に記載されている設定の詳細を確認してください。デフォルト値を変更する前に、メリットと制限を把握しておく必要があります。

整合性制御とILMルールの相互作用の例

2サイトのグリッドで次のILMルールと整合性レベル設定を使用しているとします。
  • ILMルール:ローカル サイトとリモート サイトに1つずつ、2つのオブジェクト コピーを作成します。取り込み動作はStrictが選択されています。
  • 整合性レベル:strong-global(オブジェクト メタデータがすべてのサイトにただちに分散されます)。
クライアントがこのグリッドにオブジェクトを格納すると、StorageGRIDは両方のオブジェクト コピーを作成し、両方のサイトにメタデータを分散し、その後クライアントに成功を返します。

ingest successfulメッセージが返された時点でオブジェクトは損失から完全に保護されています。たとえば、取り込み直後にローカル サイトが失われても、オブジェクト データとオブジェクト メタデータの両方のコピーがリモート サイトに残っています。オブジェクトは完全に読み出し可能です。

同じILMルールとstrong-site整合性レベルを使用した場合は、オブジェクト データがリモート サイトにレプリケートされた時点で、オブジェクト メタデータが分散されていなくても、クライアントに成功メッセージが返されることがあります。この場合、オブジェクト メタデータとオブジェクト データで保護レベルが一致していません。取り込み直後にローカル サイトが失われると、オブジェクト メタデータは失われます。オブジェクトを読み出すことはできません。

整合性レベルとILMルールの関係は複雑になることがあります。サポートが必要な場合は、ネットアップにお問い合わせください。