StorageGRID 11.4の新機能

StorageGRID 11.4では、システム通知の主要なフレームワークとしてアラート システムが正式に導入されました。また、Grid Managerによるトラフィック分類ポリシー、SNMP監視、AutoSupport on Demand、SANtricity OSソフトウェアのアップグレードのサポートが追加され、イレイジャー コーディングの機能が強化されています。さらに、S3バケットのタグ付けがサポートされるようになり、S3テナントではバケットをTenant Managerから削除できるようになりました。11.4リリースでは、拡張シェルフを追加することで、設置済みのSG6060ストレージ アプライアンスの容量を2倍または3倍にすることもできます。

主要なシステムとしてのアラート システムの採用

StorageGRID11.3でプレビュー版として提供されていたStorageGRIDアラート システムがStorageGRID 11.4で大幅に強化されました。このアラート システムは、StorageGRIDシステムで発生する可能性のある問題を監視する主要なツールになります。アラート システムでは、使いやすいインターフェイスを通じて問題を検出、評価、解決することができます。

注: アラーム システムはStorageGRID 11.4でも引き続きサポートされますが、新しいアラート システムには大きなメリットがあり、使いやすさも向上しています。

StorageGRID 11.4のアラート システムでは、以下の機能が拡張されています。

StorageGRID 11.4で追加された新しいアラートは次のとおりです。
  • Appliance battery expired
  • Appliance battery failed
  • Appliance battery has insufficient learned capacity
  • Appliance battery near expiration
  • Appliance battery removed
  • Appliance battery too hot
  • Appliance cache backup device failed
  • Appliance cache backup device insufficient capacity
  • Appliance cache backup device write-protected
  • Appliance cache memory size mismatch
  • Appliance compute controller chassis temperature too high
  • Appliance compute controller CPU temperature too high
  • Appliance compute controller needs attention
  • Appliance compute controller power supply A has a problem
  • Appliance compute controller power supply B has a problem
  • Appliance compute hardware monitor service stalled
  • Appliance flash cache drives non-optimal
  • Appliance interconnect/battery canister removed
  • Appliance overall power supply degraded
  • Appliance storage connectivity degraded
  • Appliance storage controller A failure
  • Appliance storage controller B failure
  • Appliance storage controller drive failure
  • Appliance storage controller hardware issue
  • Appliance storage controller power supply A failure
  • Appliance storage controller power supply B failure
  • Appliance storage hardware monitor service stalled
  • Appliance storage shelves power supply degraded
  • Appliance temperature exceeded
  • Appliance temperature sensor removed
  • Cassandra communication error
  • Cassandra repair metrics out of date
  • Cassandra repair progress slow
  • Cassandra repair service not available
  • DHCP lease expired
  • DHCP lease expiring soon
  • DHCP server unavailable
  • Email notification failure
  • Expiration of load balancer endpoint certificate
  • Grid Network MTU mismatch
  • High Java heap use
  • Identity federation synchronization failure
  • ILM placement unachievable
  • ILM scan period too long
  • ILM scan rate low
  • Non appliance node network down
  • Node network down
  • Node not locked with NTP server
  • S3 multipart part too small
  • Services appliance link down on Admin Network port 1
  • Services appliance link down on Grid Network (or Admin Network or Client Network)
  • Services appliance link down on network port 1, 2, 3, or 4
  • Storage appliance link down on Admin Network port 1
  • Storage appliance link down on Grid Network (or Admin Network or Client Network)
  • Storage appliance link down on network port 1, 2, 3, or 4
  • Unidentified corrupt object detected
StorageGRID 11.4で変更されたアラートは次のとおりです。
  • メンテナンス手順の一環としてノードが正常にシャットダウンされた場合などにUnable to communicate with nodeアラートがトリガーされることはなくなりました。
  • 次に示す3つのアラートの名前が変更されました。
    新しい名前 元の名前
    High latency for metadata queries Low metadata query performance
    Low system data capacity Low volume disk capacity
    Node not in sync with NTP server Node not in sync with time source
注: アップグレード時にアラートがトリガーされることがあります。アップグレード時にシステムが受ける影響に関する情報を参照してください。特定のアラートに関する詳細については、StorageGRIDの監視とトラブルシューティングの手順を参照してください。

StorageGRIDの監視とトラブルシューティング

従来の属性の履歴は3年間だけ保持される

Prometheus指標と新しいアラート システムへの移行の一環として、 StorageGRIDでは従来の属性値が最大3年間保持されるようになりました。これにより、管理ノードのディスク スペースが節約されます。これらの属性値の以前の保持期間は7年間でした。この変更は、[Support] > [Grid Topology]ページに表示される履歴グラフとテキスト レポート、およびGrid Managerダッシュボードに表示される履歴グラフのポップアップに影響します。

StorageGRID 11.4にアップグレードすると、ほとんどの従来の属性の履歴は30日に切り捨てられます。アップグレード後、StorageGRIDでは属性履歴を最大3年間保持できます。ただし、ノード容量、 S3速度、 ILM概要の属性は例外で、アップグレード時に30日ではなく3年分の履歴が保持されます。

StorageGRIDの監視とトラブルシューティング

トラフィック分類ポリシーのサポート

サービス品質(QoS)を強化するために、Grid Managerを使用してトラフィック分類ポリシーを設定できるようになりました([Configuration] > [Traffic Classification])。各ポリシー内では、特定のバケット、テナント、クライアント サブネット、ロード バランサ エンドポイントに関連するトラフィックなど、さまざまなタイプのネットワーク トラフィックを識別するルールを作成できます。トラフィック分類ポリシーは、トラフィックの制限と監視に役立ちます。既存のポリシーについては、トラフィックの推移のグラフを表示して、ポリシーがトラフィックを制限している頻度やポリシーを調整する必要があるかどうかを判断できます。

StorageGRIDの管理

Grid Managerによる簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)のサポート

Grid Managerを使用して、StorageGRIDのSNMPエージェントを設定できるようになりました([Configuration] > [SNMP Agent])。エージェントでは、読み取り専用のMIBアクセスおよびトラップとインフォームの通知を設定できます。また、StorageGRIDのSNMPエージェントでは、3つのバージョンすべてのSNMPプロトコルがサポートされるようになりました。

これに伴い、StorageGRIDの管理情報ベース(MIB)がバージョン11.4向けに更新されました。更新されたMIBには、現在のアラート用のテーブルと通知の定義が含まれています。アラームに関する情報には廃止のマークが表示されていますが、引き続き使用できます。

StorageGRIDの監視とトラブルシューティング

AutoSupport on Demand

AutoSupport on Demand(ASUP on Demand)は、テクニカル サポートが取り組んでいる問題の解決を支援します。AutoSupport on Demandを有効にすると([Support] > [AutoSupport] > [Weekly])、テクニカル サポートはAutoSupportメッセージの送信を要求できます。お客様による対応は必要ありません。

StorageGRIDの管理

Load Balancer Incoming Request Rateに使用される指標の変更

StorageGRID11.3では、[Nodes] > [Load Balancer]タブの[Load Balancer Incoming Request Rate]グラフで次の指標が使用されていました。
storagegrid_private_load_balancer_storage_request_accept_count
StorageGRID 11.4では、このグラフで次の新しい指標が使用されます。これにより、ストレージ ノードに送信される要求の数ではなく、ロード バランサが受信する要求の数がより正確に追跡されます。
storagegrid_private_load_balancer_storage_request_incoming_count

StorageGRID 11.4にアップグレードすると、新しい指標を使用するようにグラフがリセットされます。

StorageGRIDの監視とトラブルシューティング

ソフトウェア更新手順の強化

StorageGRIDソフトウェアのアップグレード、StorageGRIDのホットフィックス、およびSANtricity OSのアップグレードを、Grid Managerの同じ場所([Configuration] > [Software Update])から実行できるようになりました。ホットフィックスまたはSANtricity OSのアップグレードが各ノードに適用されるタイミングを承認することもできます。

アプライアンス内のストレージ コントローラのSANtricity OSソフトウェアのアップグレード プロセスが簡易化されました。アップグレード前に手動でメンテナンス モードに切り替える必要がなくなりました。カスタムのStorageGRID NVSRAMファイルを別途ダウンロードする必要もありません。また、新しいアップグレード プロセスにより、間違ったファームウェアがコントローラにロードされることがなくなります。

リカバリおよびメンテナンス ガイド

ハードウェア インストールおよびメンテナンス ガイド (SG6000)

ハードウェア インストールおよびメンテナンス ガイド (SG5700)

ハードウェア インストールおよびメンテナンス ガイド (SG5600)

ILMの機能拡張

次に示すように、ILMのいくつかの機能が拡張されました。

StorageGRIDの管理

Transport Layer Security(TLS)1.3のサポート

StorageGRIDでは、以下のタイプの接続でTLS 1.3がサポートされるようになりました。 サポートされるTLS 1.3暗号は次のとおりです。

StorageGRIDの管理

S3(Simple Storage Service)実装ガイド

Swift実装ガイド

Grid Managerの機能拡張

StorageGRIDの管理

StorageGRIDシステムの拡張

StorageGRIDの監視とトラブルシューティング

Tenant Managerの機能拡張

ユーザがTenant ManagerからS3バケットを削除できるようになりました。削除するバケットは空にしておく必要があります。

テナント ユーザ ガイド

S3 REST APIのサポート強化

S3(Simple Storage Service)実装ガイド

StorageGRIDの監視とトラブルシューティング

SG6060のフィールド拡張のサポート

以前は、SG6060ストレージ アプライアンスの初期設置時に拡張シェルフを設置する必要がありました。StorageGRID 11.4以降では、SG6060を導入してグリッドで運用したあとに拡張シェルフを設置できます。拡張シェルフを1台または2台設置して、既存のSG6060の容量を2倍または3倍にすることができます。

拡張シェルフのディスク サイズは、元のシェルフのディスク サイズと同じである必要はありません。

ハードウェア インストールおよびメンテナンス ガイド (SG6000)

ネットワーク通信に関する新しいMTUの設定とアラート

グリッド ネットワーク、管理ネットワーク、クライアント ネットワークに最大伝送ユニット(MTU)を設定できるようになりました。

DHCPアドレス指定を使用する場合は、MTUを設定するようにDHCPサーバを設定できます。

ジャンボ フレームを使用する場合は、MTUの設定をジャンボ フレームに適した値(例:9000)に変更します。それ以外の場合は、デフォルト値1500(VMwareの場合は1400)のままにします。

注意: 最適なネットワーク パフォーマンスを実現するには、すべてのノードのグリッド ネットワーク インターフェイスでMTU値がほぼ同じになるように設定する必要があります。個々のノードのグリッド ネットワークのMTU設定に大きな違いがある場合は、Grid Network MTU mismatchアラートがトリガーされます。
  • 初期導入時には、次の方法でMTUを設定します。
    • アプライアンス ノードの場合は、StorageGRIDアプライアンス インストーラを使用します([Configure Networking] > [IP Configuration])。
    • Linuxベースのノードの場合は、ノード構成ファイルでMTUを設定します。
    • VMwareベースのノードの場合は、vSphereの[VM Properties]ページでMTUオプションを設定します。
  • 導入後は、次の方法でMTUを変更します。
    • アプライアンス ノードの場合は、アプライアンスをメンテナンス モードにしてStorageGRIDアプライアンス インストーラを使用します。
    • LinuxベースまたはVMwareベースのノードの場合は、監視とトラブルシューティングの手順に従ってchange-mtu.pyスクリプトを使用します。

ハードウェア インストールおよびメンテナンス ガイド (SG100およびSG1000)

ハードウェア インストールおよびメンテナンス ガイド (SG6000)

ハードウェア インストールおよびメンテナンス ガイド (SG5700)

ハードウェア インストールおよびメンテナンス ガイド (SG5600)

インストール ガイド(Red Hat Enterprise LinuxまたはCentOS環境向け)

StorageGRIDの監視とトラブルシューティング

損失オブジェクトに関する手順の更新

失われた可能性があるオブジェクトのトラブルシューティング方法を示す手順が更新されました。一部のコマンドは、CBIDではなくUUIDでオブジェクトを識別するように更新されています。アーカイブ ノードに格納されたオブジェクトに関する手順が更新され、テープに格納されたオブジェクトにのみコマンドが適用されることが明確化されました。

StorageGRIDの監視とトラブルシューティング

リカバリおよびメンテナンス ガイド

監査メッセージに関する変更

監査メッセージ リファレンス

サイトの運用停止手順

新しいサイトの運用停止手順を使用すると、機能していないデータセンター サイトをStorageGRIDシステムから完全に削除できます。この手順は、火災や洪水によって破壊されたサイトの削除など、災害発生後にクリーンアップを行う場合にのみ使用します。サイトのすべてのノードがリカバリ不能になることを考慮する必要があります。サイトに残っているデータにはアクセスできなくなります。
注意: StorageGRID 11.4では、[Decommission Site]ページがデフォルトで無効になっています。この手順を実行する前に、ネットアップの営業担当者にお問い合わせください。このページを有効にする前に、ネットアップがお客様の要件を確認します。

リカバリおよびメンテナンス ガイド

StorageGRID SG100サービス アプライアンス

新しいStorageGRID SG100サービス アプライアンスは、10 / 25GbEポートを4つ搭載した1ラック ユニット(1U)エンクロージャです。ゲートウェイ ノードまたは管理ノードとして使用でき、可用性の高いロード バランシング サービスをStorageGRIDシステムに提供します。SG100は、ストレージ ノードが8個以下で、トラフィック クラシファイアの使用が限定的な環境向けに設計されています。

ハードウェア インストールおよびメンテナンス ガイド (SG100およびSG1000)