Unified Manager がワークロードのレイテンシを使用してパフォーマンスの問題を特定する仕組み
ワークロードのレイテンシ(応答時間)は、クラスタ上のボリュームがクライアントアプリケーションからのI/O要求に応答するまでの時間です。Unified Manager は、レイテンシを使用してパフォーマンスイベントを検出し、アラートを生成します。
高レイテンシは、アプリケーションからクラスタ上のボリュームへの要求に通常よりも時間がかかっていることを意味します。高レイテンシの原因は、1つ以上のクラスタコンポーネントでの競合が原因で、クラスタ自体にある可能性があります。高レイテンシは、ネットワークのボトルネックなど、クラスタ外の問題、アプリケーションをホストしているクライアントの問題、アプリケーション自体の問題が原因で発生することもあります。
Unified Managerは、クラスタ上のワークロードアクティビティのみを監視します。アプリケーションやクライアント、アプリケーションとクラスタ間のパスは監視されません。 |
クラスタに対する処理(バックアップの作成や重複排除の実行など)も、他のワークロードと共有しているクラスタコンポーネントへの負荷を増大させるため、レイテンシの上昇につながる可能性があります。実際のレイテンシが想定範囲(レイテンシ予測)の動的なパフォーマンスしきい値を超えると、Unified Managerはイベントを分析して、解決が必要なパフォーマンスイベントであるかどうかを判断します。レイテンシは処理あたりのミリ秒(ms/op)で測定されます。
[ワークロード分析]ページの[レイテンシ合計]グラフでは、レイテンシ統計の分析を表示して、個 々 のプロセス(読み取り要求や書き込み要求など)のアクティビティを全体的なレイテンシ統計と比較できます。この比較により、最もアクティビティが高い処理を特定したり、ボリュームのレイテンシに影響を及ぼしている異常なアクティビティがある特定の処理がないかを判断できます。パフォーマンスイベントを分析するときは、レイテンシの統計を使用して、イベントの原因がクラスタの問題かどうかを判断できます。また、イベントに関連しているワークロードのアクティビティやクラスタコンポーネントを特定することもできます。
この例は、レイテンシグラフを示しています。実際の応答時間(レイテンシ)アクティビティは青い線、レイテンシ予測(想定範囲)は緑で表されています。
Unified Managerでデータを収集できなかった場合は、青い線が途切れている可能性があります。これは、クラスタまたはボリュームに到達できなかったか、その時間にUnified Managerがオフになっていたか、収集に5分以上かかっていた可能性があります。 |