このドキュメントは、以前にSAPシステムのコピーを手動で実行したことがあり、Avantraを使用してこの作業を自動化したいSAPシステム管理者を対象としています。NetApp SnapCenterによってオーケストレーションされたNetApp SnapshotとFlexCloneテクノロジをAvantraのワークフローと組み合わせる目的は、SAPシステムのコピーを完全に自動化することで高速化することです。

SAPシステムのコピーという用語は、多くの場合、SAPシステムのクローニング、SAPシステムのコピー、SAPシステムの更新の3つのプロセスを総称して使用されます。ワークフローとユースケースが異なるため、処理を区別することが重要です。

3つのユースケースがありますが、データ管理プロセスは変わりません。3つのユースケースでは、基盤となるデータ管理テクノロジであるNetApp SnapshotとFlexCloneが活用されています。

ソリューション全体は、次の主要コンポーネントで構成されています。

次の図は、Avantraサーバ、NetApp SnapCenterサーバ、NetAppストレージシステム、SAPソースシステムとSAPターゲットシステム、およびすべての統合方法を示しています。その目的は、既存のコンポーネント内ですでに行われている設定作業を最大限に再利用できるように、SnapCenter REST APIを使用して統合を可能な限り柔軟にすることでした。

テストやトレーニングを目的として、ソースシステムのデータをターゲットシステムで利用できるようにする必要があるシナリオはいくつかあります。これらのテストシステムとトレーニングシステムは、ソースシステムのデータで定期的に更新して、テストとトレーニングが最新のデータセットで確実に実行されるようにする必要があります。このようなシステム更新処理は、インフラ、データベース、アプリケーションの各レイヤでの複数のタスクで構成され、自動化のレベルによっては数日かかることがあります。

時間を短縮し、運用タスクを自動化し、インフラストラクチャ、データベース、アプリケーションレベルで人的エラーを排除するために、Avantraワークフローを使用できます。この統合では、ソースシステムからターゲットシステムにバックアップをリストアする（時間がかかり、リソース消費量も多い）代わりに、NetApp SnapshotとFlexCloneテクノロジを使用します。データベースのスピンアップに必要なすべてのタスクが、数時間ではなく数分で完了します。クローニングプロセスに要する時間はデータベースのサイズに左右されないため、非常に大規模なシステムでも数分で作成できます。Avantraは、SAPの後処理側だけでなく、オペレーティングシステムおよびデータベースレベルでもタスクを自動化することで、実行時間をさらに短縮します。

次の図は、自動化を使用すると運用効率が向上する可能性があることを示しています。

AvantraワークフローでのSnapCenterの実際の統合は、JavaScriptを使用してNetApp SnapCenter REST APIにアクセスすることで構成されています。このREST APIベースの統合では、SAPソースシステムのSnapshotコピーが作成され、FlexCloneボリュームが作成されてSAPターゲットシステムにマウントされます。

ストレージ管理者やSAP管理者は、SnapCenterによってトリガーされ、SnapCenterエージェントによって実行されるスクリプトを開発して、毎日繰り返される運用タスクを自動化するための時間とノウハウを投入してきました。JavaScriptを使用してSnapCenterタスクをトリガーするこの疎結合アーキテクチャを使用すると、既存の自動化手順を再利用して、エンドツーエンドの自動化のワークフローエンジンとしてAvantraを使用して、目的の結果を迅速に達成できます。