クラスタのネットワークコンポーネントの概要
クラスタをセットアップする前に、クラスタのネットワークコンポーネントについて理解しておく必要があります。クラスタの物理ネットワークコンポーネントを論理コンポーネントに構成することで、ONTAPの柔軟性とマルチテナンシー機能を活かすことができます。
クラスタのさまざまなネットワークコンポーネントは次のとおりです。
-
物理ポート
ネットワーク インターフェイス カード(NIC)とホスト バス アダプタ(HBA)は、各ノードから物理ネットワーク(管理ネットワークとデータ ネットワーク)への物理接続(イーサネットおよびFibre Channel)を提供します。
サイトの要件、スイッチ情報、ポートのケーブル接続情報、およびコントローラのオンボードポートのケーブル接続については、のHardware Universeを参照してください "hwu.netapp.com"。
-
論理ポート
論理ポートは仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)とインターフェイスグループで構成されます。インターフェイスグループは複数の物理ポートを1つのポートとして扱い、VLANは1つの物理ポートを複数の別 々 のポートに分割します。
-
IPspace
IPspaceを使用すると、クラスタ内のSVMごとに個別のIPアドレススペースを作成できます。これにより、管理上分離されたネットワークドメインに属するクライアントは、同じIPアドレスサブネット範囲の重複するIPアドレスを使用してクラスタデータにアクセスできます。
-
ブロードキャストドメイン
ブロードキャストドメインはIPspace内に存在し、同じレイヤ2ネットワークに属する、クラスタ内の多数のノードからのネットワークポートグループを含んでいます。このグループのポートは、SVMでデータトラフィック用に使用されます。
-
サブネット
サブネットはブロードキャスト ドメイン内に作成され、同じレイヤ3サブネットに属するIPアドレスのプールを含んでいます。このIPアドレス プールにより、LIF作成時にIPアドレスが簡単に割り当てられるようになります。
-
論理インターフェイス
論理インターフェイス(LIF)は、ポートに関連付けられたIPアドレスまたはワールドワイド ポート名(WWPN)です。フェイルオーバー グループ、フェイルオーバー ルール、ファイアウォール ルールなどの属性があります。LIFは、現在バインドされているポート(物理または論理)からネットワーク経由で通信します。
クラスタ内のLIFのタイプには、データLIF、クラスタ対象管理LIF、ノード対象管理LIF、クラスタ間LIF、クラスタLIFがあります。LIFの所有権は、LIFを実装するSVMによって異なります。データLIFはデータSVMによって、ノード対象管理LIF、クラスタ対象管理LIF、およびクラスタ間LIFは管理SVMによって、クラスタLIFはクラスタSVMによって所有されます。
-
DNSゾーン
DNSゾーンはLIFの作成時に指定でき、クラスタのDNSサーバ経由でエクスポートされるLIFの名前を提供します。複数のLIFで同じ名前を共有できるため、DNSロード バランシング機能を使用し、その名前のIPアドレスを負荷に従って分散させることができます。
SVMには、複数のDNSゾーンを設定できます。
-
ルーティング
それぞれのSVMは、ネットワーク上で完全な機能を持つ独立した存在です。SVMは、LIFおよび設定済みの外部サーバに到達可能なルートを持っています。
次の図は、4ノード クラスタにおける各種ネットワーク コンポーネントの関係を示しています。