ODXのユースケース
SVMでODXを使用する前に、どのような場合にパフォーマンスを向上できるかを判断できるようにユースケースについて確認しておく必要があります。
ODXをサポートするWindowsサーバおよびクライアントでは、リモートサーバ間でデータをコピーするデフォルトの方法として、コピーオフロードが使用されます。WindowsサーバまたはクライアントでODXがサポートされていない場合や、ODXコピーオフロードがいずれかの時点で失敗した場合、コピー処理または移動処理は、その処理の従来の読み取りと書き込みにフォールバックされます。
ODXコピーと移動の使用は次のユースケースでサポートされます。
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ボリューム内
ソースとデスティネーションのファイルまたはLUNは、同じボリューム内にあります。
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ボリュームが異なり、ノードとSVMは同じ
ソースとデスティネーションのファイルまたはLUNは、同じノード上の異なるボリュームにあります。データは同じSVMに所有されます。
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ボリュームとノードが異なり、SVMは同じ
ソースとデスティネーションのファイルまたはLUNは、異なるノード上の異なるボリュームにあります。データは同じSVMに所有されます。
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SVMが異なり、ノードは同じ
ソースとデスティネーションのファイルまたはLUNは、同じノード上の異なるボリュームにあります。データは複数のSVMに所有されます。
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SVMとノードが異なる
ソースとデスティネーションのファイルまたはLUNは、異なるノード上の異なるボリュームにあります。データは複数のSVMに所有されます。
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クラスタ間
ソースLUNとデスティネーションLUNは、クラスタの異なるノードにある異なるボリュームにあります。これはSANでのみサポートされ、CIFSでは機能しません。
その他にも、次のような特殊なユースケースがあります。
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ONTAP ODXの実装では、ODXを使用して、SMB共有とFCまたはiSCSIで接続された仮想ドライブの間でファイルをコピーできます。
Windowsエクスプローラ、Windows CLI(PowerShell)、Hyper-V、またはODXをサポートするその他のアプリケーションでODXコピーオフロードを使用すると、SMB共有と接続されたLUNが同じクラスタにある場合に、それらの間でシームレスにファイルをコピーまたは移動できます。
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Hyper-Vでは、その他にもODXコピーオフロードのユースケースがいくつか用意されています。
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Hyper-VでODXコピーオフロードのパススルーを使用すると、仮想ハードディスク(VHD)ファイル内またはVHDファイル間でデータをコピーしたり、同じクラスタ内のマッピングされたSMB共有と接続されたiSCSI LUNの間でデータをコピーしたりできます。
これにより、ゲストオペレーティングシステムからのコピーを基盤となるストレージに渡すことができます。
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容量固定VHDを作成する場合、ODXを使用してディスクを初期化します。初期化された既知のトークンを使用してディスクを初期化します。
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ソースとデスティネーションのストレージが同じクラスタにある場合、ODXコピーオフロードを使用して仮想マシンのストレージを移行します。
Hyper-VでのODXコピーオフロードのパススルーのユースケースを利用するには、ゲストオペレーティングシステムでODXがサポートされている必要があります。また、ゲストオペレーティングシステムのディスクが、ODXをサポートするストレージ(SMBまたはSAN)から作成されたSCSIディスクである必要があります。ゲストオペレーティングシステムのIDEディスクは、ODXパススルーをサポートしていません。
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