デフォルトのユーザクォータおよびグループクォータで派生クォータを作成する方法
デフォルトのユーザクォータまたはグループクォータを作成すると、同じレベルでファイルを所有するユーザまたはグループごとに、対応する派生ユーザクォータまたは派生グループクォータが自動的に作成されます。
派生ユーザクォータと派生グループクォータは、次のように作成されます。
-
FlexVol 上のデフォルトユーザクォータによって、ボリューム上のファイルを所有するすべてのユーザに派生ユーザクォータが作成されます。
-
qtree 上のデフォルトユーザクォータによって、 qtree 内のファイルを所有するすべてのユーザに派生ユーザクォータが作成されます。
-
FlexVol 上のデフォルトグループクォータによって、ボリューム上の任意の場所のファイルを所有するすべてのグループに派生グループクォータが作成されます。
-
qtree 上のデフォルトグループクォータによって、 qtree 内のファイルを所有するすべてのグループに派生グループクォータが作成されます。
デフォルトのユーザクォータまたはグループクォータのレベルでファイルを所有していないユーザまたはグループには、派生クォータは作成されません。たとえば、 qtree proj1 にデフォルトユーザクォータが作成され、ユーザ jsmith が異なる qtree 上のファイルを所有している場合、 jsmith には派生ユーザクォータが作成されません。
派生クォータの設定は、制限やユーザマッピングなど、デフォルトクォータと同じです。たとえば、デフォルトユーザクォータのディスク制限が 50MB でユーザマッピングが有効の場合、作成される派生クォータもディスク制限が 50MB でユーザマッピングが有効になります。
ただし、 3 つの特殊なユーザとグループの場合、派生クォータに制限はありません。次のユーザとグループがデフォルトのユーザクォータまたはグループクォータのレベルでファイルを所有している場合、派生クォータはデフォルトのユーザクォータまたはグループクォータと同じユーザマッピング設定で作成されますが、単なる追跡クォータになります(制限なし)。
-
UNIX root ユーザ( UID 0 )
-
UNIX ルートグループ( GID 0 )
-
Windows BUILTIN\Administrators グループ
Windows グループのクォータはユーザクォータとして追跡されるため、このグループの派生クォータは、デフォルトグループクォータではなくデフォルトユーザクォータから派生するユーザクォータになります。
root、jsmith、bobという3人のユーザがファイルを所有しているボリュームにデフォルトユーザクォータを作成すると、ONTAPによって自動的に3つの派生ユーザクォータが作成されます。このため、このボリュームのクォータを再初期化すると、次の 4 つの新しいクォータがクォータレポートに表示されます。
cluster1::> volume quota report Vserver: vs1 ----Disk---- ----Files----- Quota Volume Tree Type ID Used Limit Used Limit Specifier ------- -------- ------ ------- ----- ----- ------ ------ --------- vol1 user * 0B 50MB 0 - * vol1 user root 5B - 1 - vol1 user jsmith 30B 50MB 10 - * vol1 user bob 40B 50MB 15 - * 4 entries were displayed.
最初の新しい行は作成したデフォルトユーザクォータで、 ID がアスタリスク( * )であることから判別できます。ほかの新しい行は派生ユーザクォータです。jsmith と bob の派生クォータのディスク制限は、デフォルトクォータと同じく 50MB です。root ユーザの派生クォータは、制限のない追跡クォータです。