クォータレポートを使用して有効なクォータを確認する
クォータはさまざまな方法で作用するため、明示的に作成したクォータよりも多くのクォータが有効になります。有効なクォータを確認するには、クォータレポートを表示します。
次の例は、FlexVol volume vol1と、そのボリュームに含まれるqtree q1に適用されている各種クォータのクォータレポートを表示します。
この例では、ボリュームvol1に含まれるqtree q1が1つあります。管理者が3つのクォータを作成しました。
-
vol1に対するデフォルトのツリークォータ制限は400MB
-
vol1に対して100MBのデフォルトユーザクォータ制限
-
ユーザjsmith用にvol1に対して200MBの明示的ユーザクォータ制限
これらのクォータのクォータルールは、次の例のようになります。
cluster1::*> volume quota policy rule show -vserver vs1 -volume vol1 Vserver: vs1 Policy: default Volume: vol1 Soft Soft User Disk Disk Files Files Type Target Qtree Mapping Limit Limit Limit Limit Threshold ----- -------- ------- ------- -------- ------- ------ ------- --------- tree "" "" - 400MB - - - - user "" "" off 100MB - - - - user jsmith "" off 200MB - - - -
これらのクォータのクォータレポートの例を次に示します。
cluster1::> volume quota report Vserver: vs1 ----Disk---- ----Files----- Quota Volume Tree Type ID Used Limit Used Limit Specifier ------- -------- ------ ------- ----- ----- ------ ------ --------- vol1 - tree * 0B 400MB 0 - * vol1 - user * 0B 100MB 0 - * vol1 - user jsmith 150B 200MB 7 - jsmith vol1 q1 tree 1 0B 400MB 6 - q1 vol1 q1 user * 0B 100MB 0 - vol1 q1 user jsmith 0B 100MB 5 - vol1 - user root 0B 0MB 1 - vol1 q1 user root 0B 0MB 8 -
クォータレポートの最初の3行には、管理者が指定した3つのクォータが表示されます。これらのクォータのうち2つはデフォルトクォータであるため、ONTAPによって自動的に派生クォータが作成されます。
4行目には、vol1のすべてのqtree(この例ではq1のみ)のデフォルトツリークォータから派生するツリークォータが表示されます。
5行目には、ボリュームにデフォルトユーザクォータが存在することによってqtreeに作成されるデフォルトユーザクォータとqtreeクォータが表示されます。
6行目には、qtreeのjsmithに作成される派生ユーザクォータが表示されます。これは、qtreeにはデフォルトユーザクォータ(5行目)があり、ユーザjsmithがそのqtreeのファイルを所有しているためです。qtree q1のユーザjsmithに適用される制限は、明示的ユーザクォータ制限(200MB)では決定されません。これは、明示的ユーザクォータ制限がボリュームに対して適用されるため、qtreeの制限には影響しないためです。代わりに、qtreeの派生ユーザクォータ制限は、qtreeのデフォルトユーザクォータ(100MB)で決定されます。
最後の2行には、そのボリュームおよびqtreeのデフォルトユーザクォータから派生するその他のユーザクォータが表示されます。rootユーザがボリュームとqtreeの両方にファイルを所有しているため、ボリュームとqtreeの両方のrootユーザに派生ユーザクォータが作成されました。rootユーザはクォータに関して特別な扱いを受けるため、rootユーザの派生クォータは追跡クォータのみです。
この例は前の例に似ていますが、管理者がqtreeに2つのクォータを追加している点が異なります。
ボリュームは1つ(vol1)、qtreeは1つ(q1)です。管理者が次のクォータを作成しました。
-
vol1に対するデフォルトのツリークォータ制限は400MB
-
vol1に対して100MBのデフォルトユーザクォータ制限
-
ユーザjsmithのためにvol1に対して200MBの明示的ユーザクォータ制限
-
qtree q1に対する50MBのデフォルトユーザクォータ制限
-
ユーザjsmithのためにqtree q1に対して75MBの明示的ユーザクォータ制限
これらのクォータのクォータルールは次のようになります。
cluster1::> volume quota policy rule show -vserver vs1 -volume vol1 Vserver: vs1 Policy: default Volume: vol1 Soft Soft User Disk Disk Files Files Type Target Qtree Mapping Limit Limit Limit Limit Threshold ----- -------- ------- ------- -------- ------- ------ ------- --------- tree "" "" - 400MB - - - - user "" "" off 100MB - - - - user "" q1 off 50MB - - - - user jsmith "" off 200MB - - - - user jsmith q1 off 75MB - - - -
これらのクォータのクォータレポートは次のようになります。
cluster1::> volume quota report Vserver: vs1 ----Disk---- ----Files----- Quota Volume Tree Type ID Used Limit Used Limit Specifier ------- -------- ------ ------- ----- ----- ------ ------ --------- vol1 - tree * 0B 400MB 0 - * vol1 - user * 0B 100MB 0 - * vol1 - user jsmith 2000B 200MB 7 - jsmith vol1 q1 user * 0B 50MB 0 - * vol1 q1 user jsmith 0B 75MB 5 - jsmith vol1 q1 tree 1 0B 400MB 6 - q1 vol1 - user root 0B 0MB 2 - vol1 q1 user root 0B 0MB 1 -
クォータレポートの最初の5行には、管理者によって作成された5つのクォータが表示されます。これらのクォータの一部はデフォルトクォータであるため、ONTAPによって自動的に派生クォータが作成されます。
6行目には、vol1のすべてのqtree(この例ではq1のみ)のデフォルトツリークォータから派生するツリークォータが表示されます。
最後の2行には、そのボリュームおよびqtreeのデフォルトユーザクォータから派生するユーザクォータが表示されます。rootユーザがボリュームとqtreeの両方にファイルを所有しているため、ボリュームとqtreeの両方のrootユーザに派生ユーザクォータが作成されました。rootユーザはクォータに関して特別な扱いを受けるため、rootユーザの派生クォータは追跡クォータのみです。
次の理由により、他のデフォルトクォータまたは派生クォータは作成されませんでした。
-
このユーザにはすでに両方のレベルで明示的クォータが設定されているため、ボリュームとqtreeの両方にファイルを所有していても、jsmithユーザに派生ユーザクォータは作成されませんでした。
-
このボリュームまたはqtreeに他のユーザがファイルを所有していないため、他のユーザに派生ユーザクォータは作成されませんでした。
-
qtreeにはすでにデフォルトユーザクォータが設定されているため、このボリュームのデフォルトユーザクォータによってqtreeにデフォルトユーザクォータが作成されませんでした。