クローニングとは
データベースをクローニングして、元のデータベースの正確なレプリカを作成できます。クローンは、フルバックアップから作成するか、またはデータベースの現在の状態から作成できます。
SnapManager を使用してクローンを作成する利点は次のとおりです。
利点 |
詳細 |
スピード |
SnapManager のクローン処理には、 Data ONTAP の FlexClone 機能を使用します。これにより、大容量のデータボリュームのクローンをすばやく作成できます。 |
スペース効率化 |
SnapManager を使用してクローンを作成する場合、スペースが必要になるのは、バックアップとクローン間の変更分だけです。SnapManager クローンは、元のデータベースの書き込み可能な Snapshot コピーであり、必要に応じて拡張できます。一方、データベースの物理的なクローンの場合、データベース全体を複製するのに十分なスペースが必要になります。 |
仮想コピー |
クローンデータベースは、元のデータベースと同様に使用できます。たとえば、テスト、プラットフォームと更新のチェック、大規模なデータセットに対する複数のシミュレーション、リモートオフィスのテストとステージングにクローンを使用できます。クローンに変更を加えても、元のデータベースには影響しません。クローニングされたデータベースは、完全に動作します。 |
簡易性 |
SnapManager コマンドを使用して、任意のホストにデータベースをクローニングできます。 |
データベースをクローニングする前に、次の前提条件を満たしていることを確認する必要があります。
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$ORACLE_HOME\database から、 spfile <SID>.ora ファイルを削除します。
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$ORACLE_HOME\database から init<SID>.ora ファイルを削除します。
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クローン仕様ファイルで指定された Oracle ダンプの送信先を削除します。
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クローン仕様ファイルで指定されている Oracle 制御ファイルを削除します。
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クローン仕様ファイルに指定された Oracle REDO ログファイルを削除します。
クローンには新しいシステム識別子を指定する必要があります。同じホスト上で、システム ID が同じ 2 つのデータベースを同時に実行することはできません。同じシステム識別子を使用して、別のホストにクローンを作成できます。クローンにラベルを付けるか、またはクローン作成日時を使用して、 SnapManager でラベルを作成できるようにします。
ラベルを入力するときは、スペースや特殊文字は使用できません。
クローニングされたデータベースに必要な Oracle ファイルおよびパラメータは、クローニングプロセス中に SnapManager によって作成されます。必要な Oracle ファイルの例は init<SID>.ora です。
データベースをクローニングすると、 SnapManager は、データベース用の新しい init<SID>.ora ファイルを $ORACLE_HOME\database ディレクトリに作成します。
SnapManager でデータベースのストレージをクローニングすると、新しいファイルシステムマウントポイントも作成されますが、 SnapManager CLI からマウントポイントのディレクトリ構造を変更することはありません。ただし、 SnapManager GUI から、ファイルシステムのディレクトリ構造およびメタデータを変更できます。
データベースが配置されているホストまたは代替ホストに、データベースバックアップをクローニングできます。
クローニングしたデータベースで spfile が使用されていた場合、 SnapManager はクローン用の spfile を作成します。このファイルは $ORACLE_HOME\database ディレクトリに格納され、診断ファイル用のディレクトリ構造が作成されます。ファイル名は spfile <SID>.ora です。