オブジェクトのライフサイクル全体にわたる ILM の動作
StorageGRID での ILM を使用したオブジェクト管理方法を理解することは、ポリシーをより効果的に設計するうえで役立ちます。
-
取り込み:S3クライアントアプリケーションがStorageGRIDシステムへの接続を確立してオブジェクトを保存すると取り込みが開始され、StorageGRIDがクライアントに「ingest successful」というメッセージを返すと取り込みが完了します。ILM 要件の指定方法に応じて、 ILM の手順を即座に適用(同期配置)するか、中間コピーを作成して ILM をあとから適用(デュアルコミット)することで、オブジェクトデータは取り込み時に保護されます。
-
* コピー管理 * : ILM の配置手順に指定された数とタイプのオブジェクトコピーを作成すると、 StorageGRID はオブジェクトの場所を管理し、オブジェクトを損失から保護します。
-
* ILMのスキャンと評価*:StorageGRIDはグリッドに格納されているオブジェクトのリストを継続的にスキャンし、現在のコピーがILMの要件を満たしているかどうかをチェックします。タイプ、数、または場所が異なるオブジェクトコピーが必要となった場合、 StorageGRID は必要に応じてコピーを作成、削除、または移動します。
-
バックグラウンド検証:StorageGRIDは、オブジェクトデータの整合性をチェックするためにバックグラウンド検証を継続的に実行します。問題が検出されると、 StorageGRID は、現在の ILM 要件を満たす場所に、新しいオブジェクトコピーまたは置き換え用のイレイジャーコーディングオブジェクトフラグメントを自動的に作成します。を参照して "オブジェクトの整合性を検証"
-
-
* オブジェクトの削除 * : StorageGRID システムからすべてのコピーが削除されると、オブジェクトの管理は終了します。オブジェクトは、クライアントによる削除要求、または S3 バケットライフサイクルの終了が原因の ILM による削除または削除が原因で削除されます。
S3オブジェクトロックが有効になっているバケット内のオブジェクトは、リーガルホールドの対象になっている場合やretain-until-dateが指定されていてもまだ満たされていない場合は削除できません。
次の図は、オブジェクトのライフサイクル全体にわたる ILM の動作をまとめたものです。