パフォーマンス イベントに関連したワークロードの役割
Unified Manager は、ロールを使用して、パフォーマンス イベントにおけるワークロードの関与を識別します。役割にはVictim、Bully、Sharkがあります。ユーザ定義のワークロードは同時にVictim、Bully、Sharkとなることがあります。
ロール | 説明 |
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Victim |
クラスタ コンポーネントを過剰に消費している他のワークロード(Bully)のためにパフォーマンスが低下しているユーザ定義のワークロードです。Victimとみなされるのはユーザ定義のワークロードのみです。Unified Manager は、イベント中の実際のレイテンシがレイテンシ予測 (予想範囲) から大幅に増加したレイテンシの偏差に基づいて被害ワークロードを識別します。 |
Bully |
クラスタ コンポーネントの過剰な消費によって他のワークロード(Victim)のパフォーマンスを低下させるユーザ定義またはシステム定義のワークロードです。Unified Manager は、イベント中に実際の使用量が予想される使用量の範囲から大幅に増加したクラスタ コンポーネントの使用量の偏差に基づいて、問題のあるワークロードを識別します。 |
Shark |
イベントに関連するすべてのワークロードの中でクラスタ コンポーネントの使用量が最も多いユーザ定義のワークロードです。Unified Manager は、イベント中のクラスタ コンポーネントの使用状況に基づいて、シャーク ワークロードを識別します。 |
クラスタのワークロードは、クラスタを構成する多数のコンポーネント(アグリゲート、ネットワーク処理やデータ処理を行うCPUなど)を共有します。そのため、あるワークロード(ボリュームなど)が使用するクラスタ コンポーネントの量が、他のワークロードに必要な量を効率的に確保できないところまで増加すると、そのコンポーネントは競合状態になります。この、クラスタ コンポーネントを過剰に消費しているワークロードが「Bully」で、同じコンポーネントを共有しているため、Bullyによってパフォーマンスに影響が出ているワークロードが「Victim」です。重複排除やスナップショット コピーなどのシステム定義のワークロードからのアクティビティも、「いじめ
」にエスカレートする可能性があります。
Unified Manager はイベントを検出すると、イベントの原因となった「bully」ワークロード、競合状態にあるクラスタ コンポーネント、および「bully」ワークロードのアクティビティの増加によりパフォーマンスが低下した「victim」ワークロードなど、関連するすべてのワークロードとクラスタ コンポーネントを識別します。
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Unified Manager が攻撃対象のワークロードを識別できない場合は、攻撃対象のワークロードと関連するクラスタ コンポーネントについてのみアラートを発します。 |
Unified Manager は、Bully ワークロードの被害者であるワークロードを識別できるだけでなく、同じワークロードが Bully ワークロードになるタイミングも識別できます。ワークロードは自身に対してBullyワークロードになることがあります。たとえば、負荷の高いワークロードがポリシー グループの制限によって調整される場合、そのワークロードが含まれるポリシー グループ内のすべてのワークロードが調整されます。継続的なパフォーマンス イベントでは、BullyワークロードまたはVictimワークロードは役割が変わったり、あるいはイベントに関連しなくなる場合があります。