ブートプロセス中にキー管理サーバにアクセスできない場合の動作
ブートプロセス時に NSE 用に構成されたストレージシステムが指定されたどのキー管理サーバにもアクセスできない場合、 ONTAP ではストレージシステムの望ましくない動作を回避するために、特定の予防措置を取ります。
ストレージシステムが NSE 用に設定されている場合、 SED のキーが変更されてロックされ、 SED の電源がオンになっているときは、ストレージシステムは、キー管理サーバから必要な認証キーを取得して SED に対して自身を認証し、データにアクセスできるようにする必要があります。
ストレージシステムは、指定されたキー管理サーバへのアクセスを最大 3 時間試行します。その時間が経過してもストレージシステムがどのキー管理サーバにもアクセスできない場合は、ブートプロセスが停止して、ストレージシステムも停止します。
ストレージシステムは、指定されたいずれかのキー管理サーバに正常にアクセスできた場合、SSL接続の確立を最大15分間試行します。ストレージシステムが指定されたどのキー管理サーバとも SSL 接続を確立できない場合は、ブートプロセスが停止して、ストレージシステムも停止します。
ストレージシステムがキー管理サーバへのアクセスと接続を試行している間、失敗したアクセス試行に関する詳細情報がCLIに表示されます。アクセスの試行は、 Ctrl+C キーを押すことによっていつでも中断できます
セキュリティ対策として、SEDでは許可される不正アクセスの試行回数が制限され、試行回数が制限されたあとは既存データへのアクセスが無効になります。ストレージシステムが指定されたどのキー管理サーバにもアクセスできず、適切な認証キーを取得できない場合、デフォルトのキーでの認証しか試行できないため、試行が失敗してパニック状態になります。パニック状態が発生した場合に自動的にリブートするように設定されているストレージシステムはブートループに入り、SEDでの認証が連続して失敗します。
設計上、このような状況でストレージシステムを停止するのは、認証の連続失敗回数の上限を超えたためにSEDが永続的にロックされた場合に、ストレージシステムがブートループに入ったり、意図しないデータ損失が発生したりするのを防ぐためです。ロックアウト保護の制限とタイプは、SEDの製造仕様とタイプによって異なります。
SEDタイプ |
ロックアウトされるまでの認証の連続失敗回数 |
安全制限に達したときのロックアウト保護タイプ |
HDD |
1024 |
永続的。適切な認証キーが再び使用可能になった場合でも、データをリカバリできません。 |
ファームウェアリビジョンがNA00またはNA01のX440_PHM2800MCTO 800GB NSE SSD |
5 |
一時的。ロックアウトが有効になるのは、ディスクの電源が再投入されるまでです。 |
ファームウェアリビジョンがNA00またはNA01のX577_PHM2800MCTO 800GB NSE SSD |
5 |
一時的。ロックアウトが有効になるのは、ディスクの電源が再投入されるまでです。 |
ファームウェアリビジョンが上位のX440_PHM2800MCTO 800GB NSE SSD |
1024 |
永続的。適切な認証キーが再び使用可能になった場合でも、データをリカバリできません。 |
ファームウェアリビジョンが上位のX577_PHM2800MCTO 800GB NSE SSD |
1024 |
永続的。適切な認証キーが再び使用可能になった場合でも、データをリカバリできません。 |
その他すべての SSD モデル |
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永続的。適切な認証キーが再び使用可能になった場合でも、データをリカバリできません。 |
すべての SED タイプでは、認証が成功すると試行回数が 0 にリセットされます。
ストレージシステムが指定されたどのキー管理サーバにもアクセスできないために停止した場合は、引き続きストレージシステムのブートを試行する前に、通信エラーの原因を特定して修正しておく必要があります。