dfコマンドによるファイルサイズの表示
コマンドでスペース使用量が報告される方法は df
、2つの条件(qtreeを含むボリュームでクォータが有効か無効か、qtree内のクォータ使用量が追跡されるか)によって異なります。
qtreeを含むボリュームでクォータが有効になっていて、qtree内のクォータ使用量が追跡される場合、コマンドで報告されるスペース使用量は df
、クォータレポートの値に等しくなります。この場合、クォータ使用量は、ディレクトリ、ACL、ストリームディレクトリ、およびメタファイルによって使用されるブロックを除外します。
ボリュームでクォータが有効になっていない場合、またはqtreeにクォータルールが設定されていない場合、報告されるスペース使用量には、ボリューム内の他のqtreeを含むボリューム全体のディレクトリ、ACL、ストリームディレクトリ、およびメタファイルによって使用されるブロックが含まれます。この場合、コマンドで報告されるスペース使用量は、クォータの追跡時に報告される `df`想定値よりも大きくなります。
クォータ使用量が追跡されているqtreeのマウントポイントからコマンドを実行する `df`と、コマンド出力には、クォータレポートの値と同じスペース使用量が表示されます。ほとんどの場合、ツリークォータルールにディスクのハードリミットが設定されている場合、コマンドで報告される合計サイズは `df`ディスク制限に等しく、使用可能なスペースはクォータのディスク制限とクォータ使用量の差に等しくなります。
ただし、コマンドで報告される使用可能なスペースが、ボリューム全体で使用可能なスペースと同じである場合 `df`があります。これは、qtreeにディスクのハードリミットが設定されていない場合に発生することがあります。ONTAP 9 .9.1以降では、ボリューム全体で使用可能なスペースが残りのツリークォータスペースよりも少ない場合にも発生することがあります。これらのいずれかの状況が発生すると、コマンドによって報告される合計サイズは、qtree内で使用されているクォータにFlexVol volumeで使用可能なスペースを加えた合計サイズ `df`になります。
この合計サイズは、qtreeのディスク制限でもボリュームの設定サイズでもありません。また、他のqtree内の書き込みアクティビティやバックグラウンドのStorage Efficiencyアクティビティに基づいて変わることもあります。 |
df
次のクォータレポートには、qtree aliceには1GB、qtree bobには2GB、qtree project1には無制限のディスク制限が表示されています。
C1_vsim1::> quota report -vserver vs0 Vserver: vs0 ----Disk---- ----Files----- Quota Volume Tree Type ID Used Limit Used Limit Specifier ------- -------- ------ ------- ----- ----- ------ ------ --------- vol2 alice tree 1 502.0MB 1GB 2 - alice vol2 bob tree 2 1003MB 2GB 2 - bob vol2 project1 tree 3 200.8MB - 2 - project1 vol2 tree * 0B - 0 - * 4 entries were displayed.
次の例では、qtree AliceおよびBobに対するコマンドの出力で、 `df`クォータレポートと同じ使用済みスペース、および合計サイズ(ブロック数1M)がディスク制限と同じであることが報告されています。これは、qtree aliceとbobのクォータルールにはディスク制限が定義されており、ボリュームの使用可能スペース(1211MB)がqtree alice(523MB)およびqtree bob(1045MB)のツリークォータスペースよりも大きいためです。
linux-client1 [~]$ df -m /mnt/vol2/alice Filesystem 1M-blocks Used Available Use% Mounted on 172.21.76.153:/vol2 1024 502 523 50% /mnt/vol2 linux-client1 [~]$ df -m /mnt/vol2/bob Filesystem 1M-blocks Used Available Use% Mounted on 172.21.76.153:/vol2 2048 1004 1045 50% /mnt/vol2
次の例のqtree Project1に対するコマンドの出力で `df`は、クォータレポートと同じ使用済みスペースが報告されますが、合計サイズは、qtree Project1(201MB)のクォータ使用量にボリューム全体の使用可能スペース(1211MB)を加算して合計1412MBになります。これは、qtree Project1のクォータルールにディスク制限がないためです。
linux-client1 [~]$ df -m /mnt/vol2/project1 Filesystem 1M-blocks Used Available Use% Mounted on 172.21.76.153:/vol2 1412 201 1211 15% /mnt/vol2
次の例は、ボリューム全体に対するコマンドの出力で、Project1と同じ使用可能スペースが報告されていることを示しています。 linux-client1 [~]$ df -m /mnt/vol2 Filesystem 1M-blocks Used Available Use% Mounted on 172.21.76.153:/vol2 2919 1709 1211 59% /mnt/vol2 |