AutoSupportを使用する準備
AutoSupportメッセージをNetAppに配信するようにONTAPクラスタを設定できます。その一環として、ローカルの(通常は組織内の)Eメール アドレスにメッセージのコピーを送信することもできます。使用可能なオプションを確認して、AutoSupportを設定する準備をしておく必要があります。
NetAppへのAutoSupportメッセージの配信
AutoSupportメッセージは、HTTPまたはSMTPプロトコルを使用してNetAppに配信できます。セキュリティを強化するには、HTTPでTLSを使用します。ONTAP 9.15.1以降では、SMTPでTLSを使用することもできます。
可能な場合は常にHTTPでTLS(HTTPS)を使用してください。 |
次の点にも注意してください。
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AutoSupportメッセージに対して設定できる、NetAppへの配信チャネルは1つだけです。2つのプロトコルを使用してAutoSupportメッセージをNetAppに配信することはできません。
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AutoSupportでは、プロトコルごとに最大ファイル サイズが制限されます。AutoSupportメッセージのサイズが設定した制限を超えると、できる限り多くのメッセージが配信されますが、切り捨てが発生します。
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必要に応じて、最大ファイル サイズを変更できます。詳細については、コマンドを参照してください
system node autosupport modify
。 -
どちらのプロトコルも、名前が解決されるアドレスファミリーに基づいて、IPv4またはIPv6経由で転送できます。
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AutoSupportメッセージを送信するためにONTAPによって確立されたTCP接続は、一時的で短命です。
HTTP
これは最も堅牢な機能を提供します。次の点に注意してください。
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AutoSupport OnDemandと大容量ファイルの転送はサポートされません。
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最初にHTTP PUT要求が試行されます。要求の転送中にエラーが発生した場合に、停止した場所から要求が再開されます。
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サーバがPUTをサポートしていない場合は、代わりにHTTP POSTメソッドが使用されます。
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HTTP転送のデフォルトの制限は50MBです。
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セキュアでないHTTPプロトコルはポート80を使用します。
SMTP
原則として、何らかの理由でHTTPS / HTTPが許可されていないかサポートされていない場合にのみSMTPを使用してください。次の点に注意してください。
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AutoSupport OnDemandと大容量ファイルの転送はサポートされません。
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SMTPサインイン クレデンシャルが設定されている場合は、暗号化されずにクリア テキストで送信されます。
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HTTP転送のデフォルトの制限は5MBです。
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セキュアでないSMTPプロトコルはポート25を使用します。
TLSによるセキュリティの向上
HTTPまたはSMTPを使用すると、すべてのトラフィックは暗号化されず、簡単に傍受して読み取ることができます。HTTPを使用する場合は、常にTLS(HTTPS)も使用するようにプロトコルを設定する必要があります。
ONTAP 9.15.1以降では、SMTPでTLS(SMTPS)を使用することもできます。この場合、TCP接続の確立後にセキュアチャネルをアクティブにする_explicit tls_が使用されます。 |
一般に、これらのプロトコルのセキュアバージョンには次のポートが使用されます。
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HTTPS -ポート443
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SMTPS -ポート587
TLSでは、サーバからダウンロードした証明書は、ルートCA証明書に基づいてONTAPによって検証されます。HTTPSまたはSMTPSを使用する前に、ルート証明書がONTAPにインストールされていることを確認する必要があります。詳細については、を参照してください サーバ証明書のインストール 。
設定に関するその他の考慮事項
AutoSupportを設定する際は、さらにいくつかの考慮事項があります。
Eメールを使用したローカル コピーの送信
NetAppへのAutoSupportメッセージの配信に使用されるプロトコルに関係なく、各メッセージのコピーを1つ以上のローカルEメール アドレスに送信することもできます。たとえば、社内のサポート部門やパートナー組織にメッセージを送信できます。
SMTP(またはSMTPS)を使用してNetAppにメッセージを配信し、それらのメッセージのローカルEメール コピーも送信する場合は、同じEメール サーバ設定を使用します。 |
HTTPプロキシ
ネットワーク設定によっては、HTTPSプロトコルでプロキシURLの追加設定が必要になる場合があります。HTTPSを使用してテクニカル サポートにAutoSupportメッセージを送信する際にプロキシを使用する場合は、そのプロキシのURLを指定する必要があります。プロキシでデフォルト(ポート3128)以外のポートが使用されている場合、プロキシのポートを指定できます。また、必要に応じてプロキシ認証のユーザ名とパスワードも指定できます。
サーバ証明書のインストール
TLS(HTTPSまたはSMTPS)を使用する場合は、ONTAPでサーバ証明書を検証できることを確認する必要があります。この検証は、サーバ証明書に署名したCAに基づいて実行されます。
ONTAPには、豊富なルートCA証明書が事前にインストールされています。そのため多くの場合、サーバの証明書は、追加の設定をしなくてもONTAPによってすぐに認識されます。ただし、サーバ証明書の署名方法によっては、ルートCA証明書と中間証明書のインストールが必要になる場合があります。
必要な場合は、次の手順に従って証明書をインストールします。必要な証明書は、すべてクラスタ レベルでインストールする必要があります。
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System Managerで、[クラスタ]>*[設定]*を選択します。
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[セキュリティ]*セクションまで下にスクロールします。
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[証明書]*の横にあるを選択します 。
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タブで[追加]*をクリックします。
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[インポート]*をクリックし、証明書ファイルを選択します。
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環境に合わせて設定パラメータを設定します。
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[追加]*をクリックします。
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インストールを開始します。
security certificate install -type server-ca
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次のコンソール メッセージを探します。
Please enter Certificate: Press <Enter> when done
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テキスト エディタで証明書ファイルを開きます。
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次の行を含めて、証明書全体をコピーします。
-----BEGIN CERTIFICATE-----
-----END CERTIFICATE-----
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コマンド プロンプトの末尾に証明書を貼り付けます。
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Enter*キーを押してインストールを完了します。
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次のいずれかを使用して証明書がインストールされていることを確認します。
security certificate show-user-installed
security certificate show